【アーユルヴェーダ体調診断】今の自分のドーシャバランスを知る方法
アーユルヴェーダでは、様々な心身の不調はヴァータ・ピッタ・カパいずれかのドーシャが過剰になることによって起こると考えます。
反対にいうと、自分の今のドーシャバランスを知って過剰なドーシャを調整することができたら、身体と心の健康が自然と保てるようになるということです。
特にちょっとした不調や不定愁訴については、この方法で改善できることが多いです。
そこで今回は、様々な不調の傾向から過剰になっているドーシャを知る方法をご紹介します。
文末には、それぞれのドーシャバランスを整える方法、そして、具体的なライフスタイルのポイントをまとめた記事リンクも貼っておりますので、ぜひチェックしてみてください。
※ドーシャについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
「アーユルヴェーダに登場するドーシャとは?意味や活用法を徹底解説!」
【アーユルヴェーダ健康診断法①】不調な器官からドーシャバランスを知る
ドーシャとは、生命を司るエネルギーです。
ヴァータ・ピッタ・カパはお互いに影響を与え合いながら、それぞれ生命活動を維持するための役割を果たしています。
●各ドーシャが支配する器官
ヴァータ・ピッタ・カパは特定の器官と結びつき、そこでドーシャバランスを整えようとする働きがあります。
ドーシャが最も強く結びついている器官を主座といいます。
主座は消化器系にあります。
・ヴァータの主座:結腸(大腸)
・ピッタの主座:胃と小腸
・カパの主座:喉
例えば、ヴァータが過剰になると結腸を通して過剰になったヴァータを排出します。
しかし、過剰分が多すぎるとスムーズに排出することができなくなり、行き場を失ったヴァータが結腸に蓄積されて病気を引き起こすと、アーユルヴェーダでは考えられています。
●各ドーシャと親和性のある器官
ドーシャは主座以外にも、親和性のある第2器官を持っています。
<ヴァータの第2器官:身体の動きや神経に関係する器官>
・骨盤腔
・腰
・腿(もも)
・骨
・耳
・皮膚
・神経(脳神経、脊髄神経)
・腔(胸腔、鼻腔、腹腔など)
<ピッタの第2器官:消化に関係する器官>
・肝臓
・膵臓
・胆嚢
・血液
・汗
・目
・内分泌腺(脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、生殖腺など)
<カパの第2器官:潤滑に関係する器官>
・粘膜
・血漿とリンパ
・細胞質
・関節の滑膜と滑液
・皮下脂肪
・口
・鼻
・分泌液のすべて(粘液・唾液など)
該当する器官に何か不調がある場合には、それぞれのドーシャバランスを整えることで改善される可能性もあります。
【アーユルヴェーダ健康診断法②】痛みの種類からドーシャバランスを知る
痛みには、様々な種類があります。
同じ痛みでもその場所や疼き方によって、過剰になっているドーシャが異なるとアーユルヴェーダでは考えます。
痛みの根本的な原因となるドーシャはヴァータです。
ただ、ヴァータそのものが過剰になっている場合もありますし、ピッタやカパの過剰、または身体の中に溜まったアーマ(毒素)がヴァータの中の“流れ”“風”といった要素を妨げている場合もあります。
●過剰なヴァータによる痛み
痛む場所が変わったり、脈を打つような痛みであったり、痛くなったり収まったりを繰り返すような場合は、ヴァータそのものが過剰になっているかもしれません。
また、下腹部が痛むというのは特にヴァータの過剰が疑われます。
身体を冷やしていないか?生活が不規則になっていないか?便秘になっていないか?など、ヴァータの典型的な兆候がないかをよく観察してみましょう。
●過剰なピッタによる痛み
痛む部分に熱を感じたり、身体を絞られるような痛みだったり、刺されるような鋭く激しい痛みの場合、ピッタがヴァータの流れを遮っているかもしれません。
また、胃や小腸の付近が痛むというのは、ピッタの過剰が原因である可能性があります。
身体に熱がこもっていないか?刺激物を食べすぎていないか?吐き気がないか?など、ピッタの典型的な兆候が見られないかをよく観察してみましょう。
●過剰なカパによる痛み
痛み自体はそれほど強くないものの、慢性的になっている場合や重苦しい痛みの場合、カパがヴァータの流れを鈍くさせているかもしれません。
また、肺や喉や鼻付近が痛むというのは特にカパが原因の可能性があります。
身体が重くなっていないか?寝過ぎていないか?排他的になっていないか?など、カパの典型的な兆候が見られないかをよく観察してみましょう。
【アーユルヴェーダ健康診断法③】消化スピードからドーシャバランスを知る
消化力は、健康を保つ上で基本となる機能です。
消化力が不安定だと、どんなに良い食べ物を摂っても栄養にならず、むしろ毒素(アーマ)を生成してしまいます。
消化の火(アグニ)は主に、火と水の要素をもつピッタドーシャが関係しています。
消化力が強すぎるのも弱すぎるのも、ピッタの過剰が疑われます。
また、消化の傾向によっては、ヴァータやカパの過剰がピッタの消化の火(アグニ)を不安定にさせている可能性も考えられます。
●過剰なヴァータによる消化の乱れ
消化が早くなったり遅くなったりと変わ場合には、ヴァータが過剰になっている可能性があります。
下腹部が膨れる、ガスが溜まる、お腹がゴロゴロと鳴る、痛みがあるといった場合もヴァータの過剰が疑われます。
●過剰なピッタによる消化の乱れ
消化が極端に早くてすぐにお腹が空いてしまう場合、また水分を取りすぎてお腹が緩くなってしまう場合は、ピッタが過剰になっている可能性があります。
ものを食べた後に喉、唇、胃などに熱を持つ場合もピッタの過剰が疑われます。
●過剰なカパによる消化の乱れ
消化が遅い場合には、カパが過剰になっている可能性があります。
消化の良い食べ物を食べてもなかなか消化できない場合や、食事の後、頭がぼーっとしたり、眠くなったりする場合にもカパの過剰が疑われます。
【アーユルヴェーダ健康診断法④】感情の傾向からドーシャバランスを知る
ヴァータ・ピッタ・カパのドーシャは、感情にも影響を与えます。
特に、ネガティブな感情についてはドーシャの過剰が引き起こしている可能性があり、逆に言うと、ドーシャのバランスを整えることで、心を穏やかにできることもあるということです。
●過剰なヴァータが引き起こす感情
・不安
・恐怖
・悲観
・敏感
・情緒不安定
・虚無感
・孤独癖
●過剰なピッタが引き起こす感情
・依存
・冷徹
・自己中心的
・嫉妬
・傲慢
・強欲
・悪意
●過剰なカパが引き起こす感情
・心労
・懐疑的
・排他的
・保守的
・固執
・投げやり
・自閉的
ヴァータ・ピッタ・カパのバランスを整えるライフスタイル法とは?
不調が長期間続いている場合や明らかな症状が見られる場合は、一度医師に相談することが必要ですが
ちょっとした心身の不調であれば、普段のライフスタイルの工夫で改善できることもあります。
ここからは、過剰になったヴァータ・ピッタ・カパを調整する方法について簡単にご紹介していきます。
ピックアップしているキーワードを食生活、運動、スキンケア、マインドケアに取り入れてみましょう。
●ヴァータのバランスを調整する方法
ヴァータは、風と空の元素を持つドーシャですので、ヴァータを調整したい場合はそれらの要素を減らし、その他の土・水・火を増やす様なライフスタイルを心がけることが必要となります。
具体的には、温めること、補うこと、休めることなどがポイントとなります。
※ヴァータが増えている時のライフスタイルのポイントについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
「ヴァータが増えている時のアーユルヴェーダ食事法」
「【アーユルヴェーダアロマテラピー】アロマでヴァータを調整する方法」
「ヴァータのバランスを整えるアーユルヴェーダスキンケア」
「ヴァータのバランスを整えるアーユルヴェーダマッサージ法」
●ピッタのバランスを調整する方法
ピッタは、火と水の元素を持つドーシャですので、ピッタを調整したい場合はそれらの要素を減らし、その他の土・風・空を増やす様なライフスタイルを心がけることが必要となります。
具体的には、冷却すること、鎮静すること、癒やすことなどがポイントとなります。
※ピッタが増えている時のライフスタイルのポイントについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ一度ご覧ください。
「ピッタが増えている時のアーユルヴェーダ食事法」
「【アーユルヴェーダアロマテラピー】アロマでピッタを調整する方法」
「ピッタのバランスを整えるアーユルヴェーダスキンケア」
●カパのバランスを調整する方法
カパは、水と土の元素を持つドーシャですので、カパを調整したい場合はそれらの要素を減らし、その他の火・風・空を増やす様なライフスタイルを心がけることが必要となります。
具体的には、動かすこと、変化させること、燃焼することなどがポイントとなります。
※カパが増えている時のライフスタイルのポイントについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ一度ご覧ください
「カパが増えている時のアーユルヴェーダ食事法」
「【アーユルヴェーダアロマテラピー】アロマでカパを調整する方法」
「カパのバランスを整えるアーユルヴェーダスキンケア」
まとめ
今回は、不調な器官、痛みの場所や疼き方、消化の傾向、ネガティブな感情の種類から自分のドーシャバランスを知る方法をご紹介しました。
●ヴァータ・ピッタ・カパには、それぞれ主座や親和性の第2器官というものがあります。
ヴァータは大腸、ピッタは胃と小腸、カパはのどが主座となります。
●不規則な痛みや下腹部の痛みなどはヴァータ過剰が、鋭いまたは熱い痛みや胃の痛みなどはピッタ過剰が長期的で鈍い痛みや呼吸器などの痛みはカパ過剰が疑われます。
●消化力の強弱が変わる場合や食べた後に腹部の膨張などが見られる場合はヴァータ過剰が、消化時に灼熱感があるような場合はピッタ過剰が、消化が遅い場合にはカパ過剰が考えられます。
●感情がコロコロと変わる様な時はヴァータ過剰が、攻撃的になる場合はピッタ過剰が、内にこもりやすいような場合はカパ過剰が疑われます。
●ヴァータのバランスを整えたい時は、温めること、補うこと、休めること、ピッタのバランスを整えたい時は冷却すること、鎮静すること、癒やすこと、カパのバランスを整えたい時は、動かすこと、変化させること、燃焼することを、ライフスタイルで気をつけましょう。