カパのバランスを整えるアーユルヴェーダスキンケア
顔のたるみ、毛穴の開き・黒ずみ、ごわつきといったお肌のトラブルは、アーユルヴェーダに基づいて考えると、カパのエネルギーが増えているときの傾向です。
そこで今回は、カパのバランスを整えるためのアーユルヴェーダスキンケアをまとめました。
カパは、ヴァータやピッタと比較するとお肌のトラブルが少ないドーシャですが、その分気づかないうちにバランスを崩していることもあります。
生まれつきカパ体質の方はもちろん、仕事の内容やライフスタイルなどによって今カパが増えている人、またすべての人のカパが増える春などにぜひ取り入れてみてください。
アーユルヴェーダから分かる!カパ肌の特徴と必要なスキンケアとは?
アーユルヴェーダでは、水と土のエネルギーのことをカパと呼び、カパが過剰になるとお肌にも様々な影響を与えます。
カパは、生まれつき増えやすい人もいますし、誰でも増えやすいタイミングというのがあります。
カパな人が、お肌を健康で美しく保つためには、カパを調整するようなスキンケアが必要となります。
●カパ肌になりやすいタイミング
カパは例えば、お家に居ることが多く運動量が少ないときや、決まったルーティンの仕事をしているときなどに増えやすくなります。
また春はカパの季節となり、すべての人が少なからずその影響を受けるようになります。
花粉症は、まさにカパの症状で、冬の間に溜まったアーマ(毒素)が春になってカパが増えることで溶け出しているとアーユルヴェーダでは考えます。
さらにライフステージによっても傾向があり、生まれてから30歳までは生まれつきのタイプがどうであってもすべての人のカパが増えやすくなります。
●カパ肌の特徴とは?良いところと起こりやすいトラブル
カパは、ヴァータやピッタと比較するとお肌のトラブルが少なく日焼けもしづらいドーシャです。
カパのエネルギーが上手にバランスしている時は、白くて柔らかくしっとりしていてハリがあり、シミやシワが少ない若々しい肌状態を保つことができます。
一方カパが悪化すると、皮脂の分泌が多くなったり毛穴が開いたり、角質や皮脂が詰まって黒ずみができたりします。
また歳を重ねると、お肌がたるんだり、ターンオーバーが乱れてごわついたりするのもカパ肌の特徴です。
●カパ肌の調整に必要な性質
カパのお肌トラブルを防ぐためには、カパと反対の要素を取り入れることが必要となります。
アーユルヴェーダの五元素に基づいて考えると、カパ肌をバランスするには、乾燥性・温性・軽性・速性といった性質が必要になります。
これらの要素は、使うスキンケアの種類やテクスチャー、そして使い方などにおいても取り入れていくことができます。
柔らかくモチモチしたカパ肌を作るアーユルヴェーダスキンケア法
ここからは、カパ肌に起こりやすい美容トラブルを防ぎ、カパ肌特有の、白くてハリのあるきめ細やかな肌を保つためのスキンケア方法を解説します。
●様々な方法で取り入れたいデトックス
カパの元素を司る水と土は、一緒になると固まります。
同じ様な反応がお肌に起こってしまうと、お肌細胞の動きが停滞して新陳代謝が悪くなったり、皮脂が固まってお肌の老化を招く過酸化脂質になったりしてしまいます。
このようなカパのアンバランスを調整する上で効果的なのがデトックスです。
デトックスには、クレイパックやスクラブなど様々な方法があります。
そのようなケアをする時間がないという人は、毎日のお風呂でデトックスするのがおすすめです。
バスソルトを入れた40度程のお湯に10分浸かるだけでも老廃物を流せる他、心のデトックスにもなります。
●スチーム美容で毛穴ケア
冷性というカパの特性を調整するためには、お肌を温めることが必要となります。
最も良い方法は、スチーム美容です。
お湯を張った洗面器にパインやネロリと言ったアロマオイルを入れて、蒸気をお肌に当てていきます。
スチーム美容を行うと、お肌があたたまるだけでなく、毛穴の黒ずみを改善できたりカパ特有の呼吸器系のトラブルが改善できたりと、同時に複数の効能が得られます。
美容機器を活用してもよいですが、お肌が冷えないように注意しましょう。
●筋肉を動かす顔ヨガと首マッサージ
様々な動きが鈍くなりやすいカパは、動かすということが大切になりますが、セルフマッサージはやり方によってはお肌に摩擦を起こしてしまうため、直接お肌に触れなくもよい顔ヨガがおすすめです。
顔ヨガの方法は下記を記事をチェックしてみてください↓
「朝晩の5分顔ヨガで、マスクによる顔のたるみがなんとか改善されてきたお話」
マッサージは首に行うのがおすすめ、二重あごやたるみを予防することができます。
首のマッサージは、軽くオイルをつけた後、上から下、鎖骨まで流していきましょう。
オイルはつけすぎないように注意しましょう。
【カパ向け】アーユルヴェーダスキンケアの基本セットと使い方
ここからは、カパ体質の方やカパが増えている方のための基本のスキンケアセットをご紹介していきます。
カパのスキンケアについては、与える(保湿)よりも取り除く(排出)を意識するのがおすすめです。
保湿については必要最低限で問題ないと思います。
●しっかりクレンジング
クレンジングは、皮脂汚れまでしっかり落ちるオイルタイプのものがおすすめです。
また、クレイやハーブなどに水を含ませてペースト状にするタイプのものも良いです。
反対に、クレンジングミルクやクレンジングジェルは、カパのお肌には洗浄力が弱すぎるかもしれません(その時のドーシャバランスによって判断する必要があります)
オイルタイプのクレンジングは、最も洗浄力が高いので、たっぷりのオイルをお肌に乗せて優しくお肌になじませたら、ぬるま湯(少し冷たいと感じる程度)でオイルを乳化させながら洗い流していきましょう。
オイルをつけたままにしたり、ゴシゴシ洗いすぎたりしてしまうと、洗った後お肌が乾燥してしまうので注意しましょう。
●洗顔(必要な場合)
クレンジング後の洗顔は、必要であれば追加しましょう。
ナチュラルメイクであれば、基本的には必要ないと思います。
使う場合は、植物素材で昔ながらの製法で創られた洗顔石けんがおすすめです。
●スクラブまたはクレイパック(週1回程度)
ターンオーバーの乱れや毛穴の黒ずみが溜まりやすいカパ肌には、スクラブやクレイパックでのピーリングがおすすめです。
お肌への刺激が少ないマンナン(こんにゃく)や、デトックスと保湿両方の美容効能が期待できる米ぬかなどで作られたスクラブがおすすめです。
クレイは、特にデトックス効果の高いベントナイトや、すべてのお肌タイプに使える沖縄のくちゃなどがおすすめです。
海綿を使ったピーリングも毛穴のお掃除によいでしょう。
●さっぱり系の化粧水
クレンジング、ピーリングの後は化粧水です。
元々水の要素を持つカパは、外から多くの水分を入れる必要はありません。
お肌の状況に応じた量をつけるようにしましょう。
月桃や海洋深層水が含まれているものなど、軽いさっぱり系の化粧水がオススメです。
また、ハマメリスエキスなど収れん効果のあるものや、パパイン酵素などが含まれた拭き取りタイプの化粧水も良いです。
●オイル以外の美容液
元々油性の性質を持つカパには、オイルの入っていない、ジェルやセラムタイプの美容液がおすすめです。
保湿よりも、アンチエイジング効果やターンオーバーの乱れを改善するような効果のあるものを選びましょう。
また、ジュニパーベリーやローズマリーといったスッキリとした香りの植物エキスのものは、停滞するカパのエネルギーを調整するのに役立ちます。
まとめ
今回は、アーユルヴェーダの考え方に基づいて、カパを調整するスキンケア方法をまとめて解説しました。
●水と土の要素を持つカパは、お肌トラブルが比較的少なく日焼けもしにくいという特徴があります。
●カパがバランスしている時には白くて柔らかいモチ肌ですが、バランスが崩れると、たるんだり、毛穴が開いたり、黒ずみができたり、皮脂分泌が増えたりします。
●カパをバランスするには、乾燥性・温性・軽性・速性といった特性が必要であり、スキンケアにもそれらの特性を取り入れていく必要があります。
●カパをバランスするスキンケアのポイントは、保湿しすぎないことです。
反対に、スクラブやクレイでデトックスすること、スチーム美容で毛穴をお掃除すること、顔ヨガや首マッサージで顔の筋肉を動かすことが大切です。
●カパをバランスするスキンケアには、オイルクレンジング、スクラブ、さっぱり化粧水、ターンオーバーを促す美容液が効果的です。