ピッタが増えている時のアーユルヴェーダ食事法
アーユルヴェーダでは、ピッタが増えている時には、火と水を調整するような食事法を摂り入れるのが良いとされています。
特に火はピッタの第1元素で、過剰になると、湿疹や口内炎といった炎症が起きる、消化力が落ちてお腹を下す、イライラしやすくなる、怒りっぽくなるといった傾向が見られます。
※ピッタについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
「アーユルヴェーダにおけるドーシャの一つ“ピッタ”について徹底解説!」
アーユルヴェーダでは、特定のドーシャが過剰になると病気になると考えられており、心身の健康そして美容を保つためには、それを調整するケアが必要です。
そこで今回は、夏に増えやすいピッタを調整する食事法をご紹介します。
まずは、過剰なピッタを抑える食事の基本を解説し、さらに積極的に取り入れるべき食材や調理法、食べ方
また、反対に控えるべき食材などを解説していきます。
ここでご紹介する方法をすべて取り入れる必要はありません。
できる範囲で取り入れてみてください!
アーユルヴェーダに基づいた、過剰なピッタを調整する食事法とは?
ドーシャには、同質の原理が働きますので、ピッタが増えている時は、さらにピッタを増やす辛いものや酸味強いものなどを欲してしまうものです。
しかし、増えすぎたドーシャが病気の源になる考えるアーユルヴェーダでは、反対の性質を取り入れて調整することが推奨されています。
●ピッタが増えている時に、食生活に摂り入れるべき性質
食べ物にはそれぞれ性質があります。
例えば、牛乳や小麦、赤身の肉などは重性であり、小松菜やりんごなどは軽性です。
増えすぎたピッタを調整するには、ピッタと反対の性質の食べ物を摂る必要があります。
<ピッタの性質>
熱性・鋭性・軽性・微油性・液性
<ピッタと反対の性質>
冷性・重性・乾燥性
●ピッタにおける味覚の調整
アーユルヴェーダでは、味覚もドーシャバランスに影響を与えると考えます。
ピッタが増えている時には、甘味・苦味・渋味を積極的に取り入れて、反対に辛味・酸味・塩味は控えるようにしましょう。
ただし、ピッタを調整したいからといって、これまでの食生活を一気に変えるようなことはやめましょう。少しづつ試してみて、自分に合う味覚・性質のものを探していくことが大切です。
●ピッタを調整する調理法
ピッタが増えている時、主に野菜や果物については、生でいただくのも良いでしょう。
熱を冷ましたり、不足しやすい水分を補ったりする効果が期待できるからです。
通常アーユルヴェーダでは、食べ物に火を通すことを推奨しているのですが、ピッタが増えていてアグニ(消化の火)が強い時は、生のものも良いとされています。
ただ、アグニが弱っている時は、生のもの、特にお魚など動物性の生物は控え、蒸し物などをいただくようにしましょう。
アーユルヴェーダでは、料理は調理のした人のプラーナが宿ると考えられて、例えば怒りながら調理した場合は、消化しにくかったりアーマが発生してしまったりする可能性があります。
栄養満点の料理にするためには、落ち着いた気持ちで愛情を込めて作りましょう。
●ピッタを調整する食事の摂り方
ピッタが増えている時には、下記のことを心がけて食事をしましょう。
・ピッタは消化力が強まりやすく、お腹が空くとイライラしてしまうため、基本的には3食食べるようにしましょう。(ただし、消化の状態はよく観察することが大切です)
・リラックスできる、涼しく静かな環境で食事を摂りましょう。
・パワーランチなどはあまりおすすめできません、食事中は仕事の話を控えましょう。
・食後は、3~5分ほど静かに過ごし、消化の行方を見守りましょう。
アーユルヴェーダの食事法を参考に…ピッタを調整してくれる食材
ここからは、アーユルヴェーダの食事法に基づいた、ピッタを調整してくれるおすすめの食材をご紹介していきます。
●ギー
ギーとは、通常のバターを加熱して、タンパク質、水分、その他の不純物を取り除き、純粋な油分だけを抽出して作られたバターオイルです。
※ギーの簡単な作り方等については、下記の記事をご覧ください。
「アーユルヴェーダで万能オイルと言われる“ギー”を作ってみました!」
甘味があって重性の性質を持つギーは、ピッタにオススメの食材です。
炒めものやスープなどにも、少し足すと増えすぎたピッタを調整してくれます。
●ナス科の野菜(トマト・ナス・ピーマンなど)
水分が豊富で、生でも美味しくいただけるナス科の野菜は、ピッタが増えている時にオススメの野菜です。ただし食べ合わせには注意が必要です。
乳製品やメロンなどとは食べ合わせがよくないので気をつけましょう。
きゅうり(ナス科ではないですが)もオススメですが、ナス科の野菜と一緒に食べるのは控えましょう。オリーブオイルと岩塩などで味付けをして、単体でいただくのがオススメです。
●甘い果物
果物も、ナス科の野菜同様水分が豊富でさらに甘味もあるので、ピッタの調整にぴったりの食材です。
ビタミンCや各種ミネラルなど、夏に不足しやすい栄養素を補給することができます。
特に、マンゴーや、水分の多いスイカやぶどうなどがオススメです。
●穀物
ピッタの軽性を調整するためには、重性の穀物を取り入れるのがオススメです。
発芽玄米・白米・大豆・ハトムギ・キヌア・とうもろこし・ゴマなど、穀物には様々な種類があります。
豆については、大豆や小豆、ムング豆がオススメです。
●その他
・塩は塩味なので、ピッタは控えるべきですが、消化の際に熱の性質をもたない岩塩はピッタを増やさないと言われています。
・ピッタを調整する食材がすべて身体に合うとは限りません。
たとえば、ガスが出たり胸焼けがしたりする場合は、身体に合っていないということなので止めましょう。
アーユルヴェーダの食事法を参考に…ピッタをさらに増やしてしまう食材
ここからは、アーユルヴェーダの食事法に基づいて、ピッタを増やしてしまう気をつけたい食材をご紹介します。
●スパイス
夏やピッタが増えている時は、スパイスたっぷりのカレーなどを食べたくなりますが、食べすぎないように注意しましょう。
特に、チリパウダーやマスタードなど、辛味の強いものは控えましょう。
どうしてもスパイスがほしい場合には、コリアンダーやフェンネルなどがオススメです。
●お肉
お肉、特に赤身の牛肉はピッタを増やしやすいので食べ過ぎに注意しましょう。
同じお肉であれば、比較的軽い鶏肉がオススメです。
お魚も良いでしょう。
●醤油・味噌などの調味料
発酵食品自体は問題ないのですが、醤油や味噌などの塩分のとりすぎに注意しましょう。
日本の調味料は特に塩分の多いものが多いです。
お酢も、酸味なので摂りすぎには注意しましょう。
納豆などはぜひ積極的にいただきましょう。
●その他
・お酒はピッタを増やすので飲み過ぎに注意しましょう。
・ナッツ類は、油分が多いので注意が必要です。オススメはかぼちゃの種です。
・オイルについては、ごま油よりもココナッツオイルやひまわり油などがオススメです。
・アムラとライムは、酸味のある食べ物ですが、胃腸に入ると熱性の性質を持たないため、ピッタの人にも進められます。
まとめ
今回は、アーユルヴェーダに基づいてカパのバランスを整えるための食事法を徹底解説しました。
●アーユルヴェーダの教えによると、ピッタのバランスを整えるためには、冷性・重性・乾燥性を意識した食材、調理法、食べ方意識することが大切です。
●カパを調整するには、甘味・苦味・渋味のある食材を積極的に取り入れること、自分の消化力をよく観察すること、涼しい環境でリラックスして食べること、食事中は仕事の話を控えることが大切です。
●カパが増えている時に積極的に摂り入れたい食材は、ギー、ナス科の野菜、甘い果実、穀物です。
●カパが増えている時に控えるべき食材は、スパイス、お肉、醤油・味噌などの調味料です。