ヴァータのバランスを整えるアーユルヴェーダスキンケア
乾燥・シワ・クマといったお肌のトラブルは、アーユルヴェーダに基づいて考えると、ヴァータのエネルギーが増えすぎていることが原因にあります。
そこで今回は、ヴァータのバランスを整えるためのアーユルヴェーダスキンケア法をまとめました。
生まれつきヴァータ体質の方はもちろん、ライフスタイルの変化や、季節・年齢などによって今ヴァータが増えており、最近お肌の調子が良くないなぁ…という方は、ぜひご参考にご覧ください。
※ヴァータ・ピッタ・カパのドーシャ特性については、こちらのページでご確認ください。
アーユルヴェーダにヒントがある!ヴァータ肌に必要なスキンケアとは?
アーユルヴェーダでは、風と空のエネルギーのことをヴァータと呼び、心身にヴァータが増えるとお肌にも様々な影響を与えると考えます。
ヴァータは生まれつき増えやすい人もいますし、生まれつきヴァータ体質でなくても、誰でも増えやすくなるタイミングというのがあります。
ヴァータな人が、お肌を健康で美しく保つためには、ヴァータを調整するようなスキンケアが必要となります。
●ヴァータ肌になりやすいタイミング
ヴァータは例えば、就職、引っ越し、転職、結婚などといった、ライフスタイルが大きく変化する時に
増えやすくなります。
また晩秋から冬の間はヴァータの季節となり、すべての人が少なからずその影響を受けるようになります。
さらに年齢によっても傾向があり、60歳以上になると、生まれつきのタイプがどうであっても全員にとってヴァータが増えやすい人生ステージとなります。
●ヴァータ肌とは?ベストな時と増えすぎた時の特徴
ヴァータのエネルギーが上手にバランスしている時のお肌というのは、透明感があって、毛穴が目立ちにくく、さらさらとしていて美しいです。
一方、ヴァータが増えすぎてしまうと、乾燥したり血行が悪くなってクマができたりします。
また歳を重ねると、シワやたるみ毛穴ができたり、頬がこけやすくなるというのもヴァータ肌の特徴です。
●ヴァータ肌に必要な要素
前述したようなヴァータ特有のお肌トラブルを防ぐためには、ヴァータと反対の要素を取り入れることが必要となります。
アーユルヴェーダの五元素に基づいて考えると、ヴァータ肌をバランスするのに必要なのは、油性・重性・静性・温性といった特性です。
これらの要素は、使うスキンケアの種類やテクスチャー、そして使い方などにおいても取り入れていくことができます。
透明感があるさらさらヴァータ肌を作るアーユルヴェーダスキンケア法
ここからは、ヴァータ肌に起こりやすい美容トラブルを防ぎ、ヴァータ肌特有の、透明感があって思わず触りたくなるようなスムース肌を保つためのスキンケア方法を解説します。
●最も大事なのは保湿
ヴァータの特性の中で、最も美容トラブルの元となる性質は“乾燥”です。
アーユルヴェーダの考え方に基づいて考えると、ヴァータが持つ風のエネルギーによって、お肌の水分や油分を奪ってしまうのです。
この風のエネルギーを調整するためにも、保湿が大切となります。
お風呂上がりや朝だけでなく、日中もお肌の状態に応じて水分や油分を補うのがオススメです。
生まれつきヴァータ体質の人の冬は、特に乾燥しやすいタイミングなので注意が必要です。
フェイスだけでなく、ボディについても必要であれば化粧水やボディクリームを塗って、細胞の間にある天然の油分や皮脂膜、お肌が作り出す天然保湿因子が失われないように守っていきましょう。
●オイル美容のススメ
保湿には、水分・油分の両方が必要ですが、ヴァータは特に油分の補給を心がける必要があります。
オススメなのはオイル美容で、例えばジェルや水性の美容液でなく、オイル系のオイル液を取り入れたり、ヘッドマッサージやボディマッサージを行う際にも、セサミオイルやひましオイルといった、少し重めのオイルを用いるのがオススメです。
経皮吸収率の高いデリケートゾーンにオイルケア行うことも、全身の保湿に繋がります。
●血行を良くする
ヴァータの性質の一つである“冷え”も美容トラブルを招く要因です。
冷えは、血行を滞らせてクマを作ったり、スキンケアや食事でせっかく取り入れた栄養分を、お肌細胞まで届けることができず、老化の原因を作ったりします。
血行を滞らせないためには、物理的に体を冷やさないようにすることが最も大切なのですが、その中でも3つの首(足首・手首・首)を温めることで、全身を温めることができます。
またマッサージオイルを湯煎などで温めて使うこと、またお風呂では湯船に使って全身を温めること、そしてヨガなどで身体を動かすと共に、筋肉を落とさないということも大切になります。
特にヴァータ体質の人は、筋肉がつきづらいという特徴がありますが、マッチョを目指すのではなく、血行促進のためにワークアウトを取り入れていきましょう。
【ヴァータ向け】アーユルヴェーダスキンケアの基本セットと使い方
ここからは、ヴァータ体質の方やヴァータが増えている方のための、基本のスキンケアセットをご紹介していきます。
●クレンジングミルク
クレンジングは、最も保湿力の高い乳液タイプのものを選びましょう。
また、洗浄力の強い合成界面活性剤を避けて、出来る限り優しい成分のものを選びましょう。
オイルクレジングは、洗浄力が強いのでオススメできません。
またしっかりメイクでない場合は、W洗顔も必要ありません。
クレンジングや洗顔は、ぬるま湯(少し冷たいと感じる程度)で優しく洗い流すようにしましょう。シャワーだと温度が高い上に刺激が強く乾燥の原因になります。
●保湿を重視した化粧水
夜のクレンジング、朝の洗顔の後は、たっぷり化粧水をぬりましょう。
化粧水は、サッパリタイプよりはしっとりタイプやとろみのあるタイプがオススメです。
また、ローズやホワイトバーチなどといった天然保湿成分が含まれているものをたっぷり使いましょう。
化粧水の後は、できるだけ早くオイルや乳液を重ねることで、水分がお肌表面から逃げていくのを防ぐことができます。
●美容オイル
体質によっては美容オイルが合わないタイプもありますが、ヴァータは美容オイルがオススメです。
美容オイルは、乾燥だけでなく、年齢によるシワやたるみといった悩みにも効果を発揮します。
お肌の状態が不安定な時は、アルガンオイルやアーモンドオイルといった、肌馴染みが良くてシンプルなものがオススメです。
一方、お肌のシミケアやアンチエイジングケアをしたい場合には、ローズヒップやバクチーといった
天然の美肌有効成分が、複数ブレンドされているものを選ぶのがオススメです。
●適度な乳液・クリーム
冬やヴァータが極端に増えている時には、乳液やクリームでのケアをプラスするのがオススメです。
化粧水・美容オイルを塗った最後に、お肌に蓋をするように塗っていきましょう。
使うものはお肌の状態によって変える必要がありますが、重いクリームを毎日たっぷり塗っていると、お肌本来の保湿力が弱ってしまいますので、塗りすぎには注意しましょう。
●ボディクリーム
全身が乾燥するヴァータは、お風呂上がりのボディ保湿も大切です。
ヴァータが増えすぎていない時や夏などは、お風呂上がりに海洋深層水を元にした保湿水を吹きかけるだけでもOKですし、冬などはボディミルクを塗るのもオススメです。
またハンドクリームも大事で、一日に何度も洗ったり除菌スプレーなどを吹きかける手は油分・水分が奪われやすいので、定期的にハンドクリームで補いましょう。
※下記では、プラスαのケア方法について解説していますのでぜひ合わせてご覧ください。
「冬のヴァータな乾燥肌が潤いました!やってよかった5つの保湿対策」
まとめ
今回は、アーユルヴェーダの考え方に基づいて、ヴァータを調整するスキンケア方法をまとめて解説しました。
●風と空の要素を持つヴァータは、お肌にも様々な影響を与えます。
ヴァータがバランスしている時には透明感のあるさらさら肌ですが、バランスが崩れると、乾燥したり、血行が悪くなってクマができたりします。
●ヴァータをバランスするには、油性・重性・静性・温性といった特性が必要であり、スキンケアにもそれらの特性を取り入れていく必要があります。
●ヴァータをバランスするスキンケアのポイントは、保湿・オイル・血行促進です。
●ヴァータをバランスするスキンケアには、保湿を重視した化粧水・美容オイル・適度な乳液・クリーム・ボディクリームが必要です。