毎日の飲み物・飲み方習慣を見直して、アグニ(消化力)を上げる方法
心身の健康を保つために大切なアグニ(消化力)ですが、このアグニを調整する上で食事療法と同じぐらい大事だと感じるのが“水分の摂り方”です。
そこで今回は、アーユルヴェーダの“水分の摂り方”に関するメソッドを元に、毎日飲む物や飲み方の習慣を見直してアグニをバランスする方法をご紹介します。
アーユルヴェーダのメソッドだけでなく、個人的な経験から得たオススメの水分習慣についてもご紹介していますので、“最近胃腸の調子がよくないんだよなぁ…”とか、“消化力下がっているんだよな~”という方は、ぜひご参考にご覧ください!
低下していたアグニ(消化力)が水分を調整することで改善したお話
私の個人的なお話ですが、昨年の冬ぐらいから消化力(アグニ)が低下していて、食事時になってもお腹が全然空かない…という事が多々ありました。
アーユルヴェーダで勧められている消化力を上げるスパイスやハーブなど、自然療法を色々摂り入れることで一時は回復するのですが、しばらくするとまた下がってしまっていました。さらに、お腹が空かないだけでなく、食べた後に胃がキリキリ痛んだり、胸焼けなども起こしやすくなっていました。
そんな時に、なんとなく“水分の摂り方がよくないのかな…”と感じたんです。その頃、便秘が続いていたこともあって、“腸の調子を整えるためには水分をしっかり摂らないと!”と、毎日お水をたくさん飲んでいたんですね。
もしかしたらお水が消化力を下げているのかなぁ…と思って、アーユルヴェーダで学んだ水分の摂り方に関するメソッドを取り入れてみたところ、消化力をかなり回復できたんです!
水分って本当に大事なんですね。。。
成人女性の55%(男性は60%)は水分で出来ているって言いますもんね。
アーユルヴェーダで提唱されている、アグニを下げない水分の摂り方
アーユルヴェーダの食事法では、水分の摂り方について様々な知恵がまとめられています。
どのような飲み物習慣がベストかは、体質・体調・季節・場所・年齢などによっても異なりますが、まずはベーシックなことをまとめたいと思います。
●オススメのドリンク
アーユルヴェーダで習慣的に飲むものとして進められているのは“白湯”です。
白湯は、世界を構成する5元素、地・水・火・風・空のすべてのエネルギーを含むパーフェクトドリンクだといわれています。
※白湯の作り方はこちらでご紹介しています。
「【アーユルヴェーダ食生活入門】まず試して欲しい4つの簡単食事法」
またハーブティーは、身体や心の不調を調整する効能があると言われており、ドーシャバランスによってベストなハーブが異なります。
オージャス(活力素)がすばやく生成される飲み物だと言われているのが牛乳です。
不眠や不安感を和らげる働きがあるとも言われています。
ただし、飲み方には注意が必要ですし、身体に合わない人もいるので注意が必要です。
●水分の正しい摂り方
アーユルヴェーダでは、お水を摂りすぎるとアグニ(消化力)が下がると考えられています。
特に食事中にお水を飲みすぎると、消化液が薄まってしまうため注意しましょう。食事中は、白湯をすするように飲むのがオススメです。
また、スープなど料理からも水分を摂るようにしましょう。
目安としては、「胃袋の1/3に液体、1/3に個体、1/3は空洞を残す」です。
牛乳は、食べ合わせに注意しなければならないものが多いので、食事中の飲み物としては摂らない方がよいでしょう。
また、牛乳と塩、牛乳と酸味、牛乳と魚は良くない組み合わせです。
また、はちみつで甘さを加える時は、はちみつを加熱しないように注意しましょう。
●喉がやたらと乾く原因は…?
普段、喉が乾くことが多く、日中も食事中もついついお水をたくさん飲んでしまう…という人は、ピッタのエネルギーが過剰になっている可能性があります。
水分の摂り方だけでなく、その他の食事法、アロマ、ヨガといったライフスタイル全般で、ピッタを調整してみるのもよいと思います。
※ピッタの特徴やバランスする方法については、こちらのWebページでも少し解説しています。
個人的にオススメしたい…アグニを下げない水分の摂り方
アーユルヴェーダの水分習慣に関する基本を押さえた上で、個人的にオススメしたい、アグニを下げない水分の摂り方をご紹介したいと思います。
●とにかくお水は飲みすぎに注意する!
脱水にならないことは大事なのですが、習慣的に何リットルも飲んだり、ダイエットや美肌に良いからと飲みすぎるのは本当にオススメできません。
自分の身体の状態を見極めて、本当に必要な水分量を判断するようにしましょう。
●食事時の水分の摂り方が、アグニ調整にはめちゃめちゃ重要!
食事中だけでなく、食事の前後もお水の摂取は最低限にするのがオススメです。
食前や食後すぐにお水を摂りすぎるのも、やはり消化力が下がる感じがします。
私はこれを控えたことで、消化力が上がりました。
まず食前は30分前ぐらいから、たくさんのお水は飲まないようにします。(すする程度は大丈夫)
食後も30分~1時間ぐらい経ってから飲むようにしましょう。
どうしても食後のドリンクが飲みたい場合には、消化を促進させてくれるハーブティを少量飲むのがオススメです。
●消化力がかなり下がっている時は、食前30分前に消化促進ドリンクを!
消化足品ドリンクとは、白湯+おろした生姜+はちみつ+レモン+ブラックペッパー+ターメリックを合わせたものです。
※消化促進ドリンクの作り方はこちら↓
「すぐにアグニ(消化力)を高めたい時のスペシャルドリンクレシピ!」
もしも、食事の30分前を切ってしまった場合は、ドリンクではなく生姜のスライスにひとつまみの塩・レモンジュースとターメリック少々加えたものをかじるように食べるのがおすすめです。
●飲むものは基本は白湯、ただ身体の状態に応じて常温や冷水も…
白湯は、日常的に飲むものとして本当にオススメのドリンクです。
特にヴァータ体質の方や冬などの寒い時には、身体を芯からあたため潤いを与えてくれますし、生姜やはちみつなどを入れてアレンジすることも可能です。
ただし、ピッタが増えている時や夏などは無理して白湯にせず、常温または少し冷たいお水を取り入れて、火の要素を調整する方がよいでしょう。