【アーユルヴェーダ食生活入門】まず試して欲しい4つの簡単食事法
アーユルヴェーダが最も重要視する食事法の基本とは?
アーユルヴェーダが食生活において最も大事にしているのは「医食同源」という考え方です。何を、いつ、どのように食べるかによって、食べ物は栄養にも毒にもなりますし、身体だけでなく心の健康にも影響を与えるとされています。
またアーユルヴェーダでは、人が食べ物を口に入れた時、一般的に言われている栄養素だけでなく、その食べ物に含まれる生命エネルギーも一緒に取り込まれると考えます。
●良い食べ物を正しく食べることでオージャスを生み出す
正しい食べ物や食べ方をすることで、体内ではオージャスが生まれます。
オージャスとは、食物の中に含まれるエネルギーのことで、日本語では「活力素」と訳されます。
オージャスは、体内でドーシャバランスの調整や代謝、免疫力アップなどの役割を果たします。
栄養分と近いイメージですが、一般的な栄養分と違って目には見えないエネルギーです。
●良い食べ物・正しい食べ方とは何か?
良い食べ物・正しい食べ方というのは人によって違いますし、食べるタイミングによっても変わってきます。
何がその人にとって良い食べ物・正しい食べ方というのは、本来はその人自身が分かっている・感じることができるものなのですが、実際には毎日の忙しさや長年の食生活の乱れによって、多くの人はその感覚が鈍っています。
そこで役に立つのがアーユルヴェーダの食事法です。
アーユルヴェーダが提唱している様々な食事の法則を取り入れることで、味覚をはじめ様々な感覚が研ぎ澄まされて、自分の中でオージャスを生み出す食べ物・食べ方が自然と分かるようになります。
アーユルヴェーダの食事法を取り入れてみたいとお考えの方は、以下でご紹介している4つの食生活をまずは実践してみてください。
アーユルヴェーダ食生活入門①:ドーシャに合わせて食べ物・食べ方を変える
“今日は何を食べようか?”と考える時、多くの人は自分の好きなもの・食べたいものを選ぶと思います。
しかし、好きなものは往々にしてその人のドーシャを増やすものであり、好きなものだけを食べていると体内のエネルギーバランスはますます偏ってしまいます。
アーユルヴェーダでは、食べるものはその時のドーシャバランスに応じて変えることが大切だとされています。
ドーシャとは、人の心身を構成している3つの生命エネルギーのこと、まずは、自分のドーシャバランスを知り、その時増えているドーシャを調整できる食べ物・食べ方を取り入れてみましょう。
ここからは、ドーシャに応じた食生活のポイントを簡単にご紹介します。
●ヴァータの食生活のポイント
ヴァータが増えている時は、乾いているものや冷たいものを控えてオイルを含むものや、温かいものを取り入れるましょう。
また、規則的な食生活を心がけるといったことも大切です。
●ピッタの食生活のポイント
ピッタが増えている時は、熱いものや辛いものを控えて、冷たいものや甘いものなどを取り入れてみましょう。
また、食べすぎに注意するといったことも大切です。
●カパの食生活のポイント
カパが増えている時には、オイルの多いものや甘いものを控えて葉野菜をたっぷり摂ったり、乾いたものを取り入れたりしてみましょう。
また、食べた後にアクティブに動くよう心がけるといったことも大切です。
アーユルヴェーダでは、ドーシャに応じた食生活がもっと具体的に記されていたり、時間帯や季節に合わせたオススメの食材や食べ方などもありますが、まずは、性質的な部分から取り入れてみてください。
アーユルヴェーダ食生活入門②:出来る限り自然の物を食すようにする
アーユルヴェーダでは、自然な食材・新鮮な食べ物はオージャスを高めると言われています。
人間は元々自然から生まれ、自然界と同じ元素で構成されているためです。
具体的には、下記の2つを心がけてみましょう。
●生鮮食品増やし、加工食品を減らす
畑や田んぼから取れた食材を出来る限り自然のまま食す機会を増やしましょう。
加工食品や食品添加物、化学調味料は人工的に作られたものであり、本来自然界には存在しないものなので、人間の身体にとって不自然なもので感覚を麻痺させてしまいます。
忙しい現代において、毎日買い物したり料理したりすることは難しいと思いますが、出来る限り生鮮食品を取り入れるよう心がけてみましょう。
●作りたてのものを食す
アーユルヴェーダでは、作りたてものは生命エネルギーが強い一方、作り置きのものはオージャスを低下させると言われています。
外食やテイクアウトする場合も、調理後何日も経ってしまったコンビニ食でなくお店でその場で調理されたものを選ぶようにしてみましょう。
この2つを心がけていると、エネルギーを蓄えた料理とエネルギーのない料理の違いが自然と分かるようになってきます。
アーユルヴェーダ食生活入門③:30分以上時間をかけて味わいながら食事を摂ってみる
アーユルヴェーダでは、作りたてものは生命エネルギーが強い一方、作り置きのものはオージャスを低下させると言われています。
外食やテイクアウトする場合も、調理後何日も経ってしまったコンビニ食でなくお店でその場で調理されたものを選ぶようにしてみましょう。
この2つを心がけていると、エネルギーを蓄えた料理とエネルギーのない料理の違いが自然と分かるようになってきます。
●食事時間の心得
・落ち着いた空間で座って食べる
・よく噛む
・出来たての温かいものを食べる
・食事中にお湯をすする
・満腹まで食べない(腹2/3~3/4)
・食後はすぐ動かず、数分間は消化の状態を見守る
上記以外にも、オージャスを増やす食事の心得は色々あるのですが、まずは上記から始めてみてください。
●心のエネルギーは料理に溶け込む
また、アーユルヴェーダでは、調理する人や食べる人の心のエネルギーも食材の中に溶け込み、食べる人の身体に影響を与えると考えます。
例えば、怒りながらあるいはストレス状態で調理すると、調理人の負のエネルギーが料理に含まれますし、反対に愛情を込めて作られた料理はたくさんのオージャスを生成するということです。
また食す際にも、例えば感動する映画で泣きながら食事したりすると、感情が消化器官に影響を与え消化力は弱まります。
オージャスをより多く生成できる食事にするには、1人ご飯の時間を作るのがオススメです。
いつもじゃなく、たまにで問題ありません。
ただその際は、TVなどをつけず静かに、一口一口味わいながら食事を楽しみます。
そうすることで、まずは味覚が、そして少しづつその他の感覚が研ぎ澄まされるようになります。
アーユルヴェーダ食生活入門④:白湯で5感の変化をチェック
アーユルヴェーダにおいて、白湯はパーフェクトドリンクだと言われており、朝起きた時、夕方、夜寝る前など、いつ飲んでも良いものです。
(ただし、食前・食後はあまり飲みすぎない、食事中はちょっとづつ飲むのがオススメです)
ぜひ積極的に取り入れていきましょう。
●白湯の簡単な作り方
白湯の作り方は本当に簡単です。
・やかんに水(水道水でもミネラルウィータ-でもOK)を入れて
・火にかけて、
・しっかり湧き上がったら蓋を取って
・そのまま沸かし続けます。
・10分沸かし続けたら火を止めます。
(30分以上沸かすという方法を紹介していることもありますが
まずは10分で十分かと思います)
・コップに入れて、70℃ぐらいまで冷ましたら、時間をかけて飲みましょう。
冷めた白湯は飲まないようにしましょう。
●白湯がパーフェクトドリンクだと言われる理由
白湯は、デトックスや美肌効果、消化促進など様々な美容的効能があると言われていますが、アーユルヴェーダの観点で考えると、白湯は生命エネルギーであるドーシャが、すべてバランス良く取り入れられた飲み物と言えます。
まず「カパ」となる元素の一つが原料の水、それを「ピッタ」の元素の一つとなる火で焚かれ、沸騰しているやかんから放出される湯気は「ヴァータ」の元素の一つである風です。
カパ・ピッタ・ヴァータがすべて揃っています。
白湯を飲み慣れていない人や初めて飲む人は、始め金属の味がしたり美味しくないと感じるかもしれません。
しかし、身体の中がデトックスされてくると、自然と美味しいと感じるようになってきます。
白湯を美味しいと感じるか、まずいと感じるかは、自分の身体の状態を知るバロメーターでもあります。
定期的に飲んで確かめてみましょう。
夏やピッタが増えている時など熱いドリンクが飲みづらい時は、お水でチェックしてみても良いと思います。
まとめ
今回は、アーユルヴェーダ食生活を手軽に実践するための4つのポイントをまとめました。
●アーユルヴェーダでは医食同源の考え方が基本で、食事の仕方次第で心身の栄養にも毒になると考えます。
●食事の際、好きなものを食べるのではなく、その時のドーシャバランスに基づいて食材・食べ方を選ぶことが大切です。
●新鮮な食材・作りたてのものが、たくさんのオージャスを生成すると考えられています。
●時間をかけて味わいながら食事を摂ることで、体内での消化具合や食材に含まれる生命エネルギーを感じられるようになります。
●白湯はパーフェクトドリンクであり、自分の健康状態を測るバロメーターになります。