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ヨガの教科書「ヨガスートラ」に記されている意味や目的、実践方法などを分かりやすく解説!

ヨガ

ヨガというと、様々なポーズをとって身体を動かしたり、筋肉を伸ばして柔軟性を上げたりと、体操のようなイメージが強い人も多いと思います。
しかしそれはヨガの中のほんの一部、実際には、普段の生活から心の開放に至るまでの工程すべてがヨガであり、生き方の哲学の一つといえます。

今回は、ヨガの方法を記した経典「ヨガスートラ」を元に、ヨガの本当の意味や目的、実践方法などを解説していきます。

これからヨガを初められる方や、ヨガの本来の意味を知りたいとお考えの方は、ぜひご参考にご覧ください!

※・・・・と言いつつ、ヨガは奥が深すぎてここですべてをお伝えすることはできません。。。
ここでは、概要としてまとめていますので、詳しく知りたい方は、ぜひ一度ヨガスートラをご購読ください!
文末におすすめのヨガスートラ関連書籍をご紹介しています。

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目次
■ヨガとは?
■「ヨガスートラ」とは?経典に書かれていることを分かりやすく解説
■おすすめのヨガスートラ関連書籍
■まとめ

ヨガとは?

「ヨガとは、心の作用を死滅させることである」
これは、ヨガスートラ(経典)の一番はじめに出てくる言葉であり、ヨガのすべてを表していると言えます。
初めて聞いた人は、“感情を無くせ”と言われているように聞こえたり、“死滅”という言葉が少々乱暴に聞こえたりすることもあるかもしれません。

しかし、ヨガの本当の意味を知っていくと、この表現も納得できるようになります。

人の悩みはすべてこの心の動きから生まれてるもの、それをコントロールできるようになったら、苦悩はなくなり、いつ、どこで、何をしていても、自由に幸せでいられるようになるというのがヨガの考え方です。

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●ヨガ誕生の歴史

ヨガは、約4,500年前のインダス文明時代に誕生したのではないかと言われています。
インダス文明の都市遺跡モヘンジョダロから、瞑想したりポーズをとったりしている絵が描かれた遺跡が発見されているそうです。

また、インドの聖典であるヴェーダにもヨガに関連する記述があったり、ヴェーダの一つであるウパニシャッドには、ヨガの体系が記述されていたりするそうです。

そして、現代においてヨガの教科書とされている経典「ヨガスートラ」は4~5世紀ごろ、ヨガの始祖と言われているパタンジャリによって編集されました。
ただ、パタンジャリについても、どのような人物なのか、一人なのか複数人なのか、詳しくはわかっていないと言われています。

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●ヨガの目的

ヨガの目的は、冒頭でご紹介した通り、自分の心をコントロールできるようになることです。
コントロールといっても、感情を押し殺したり、誤魔化したり、見て見ぬふりをするということとは違います。
心は変わるものということを理解し、自らの感情の揺れに気づき、それを真正面から認め、尚且つ、平穏な状態に戻すことができるよう訓練することです。

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●ヨガによって得られるもの

ヨガを学び、ヨガを実践すると、悩みから開放されて、いつも心穏やかで、ハッピーに過ごせるようになると言われています。

また、コロコロと変わり続ける心や、太ったり、痩せたり、老いたりする身体は本当の自分ではないということ、本当の自分とは、変わったり失われたりしない、真我(魂)そのものであるという真実にたどり着くことができるといいます。

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「ヨガスートラ」とは?経典に書かれていることを分かりやすく解説

ヨガスートラとは、ヨガの意味、目的、実践方法など、ヨガのすべてをまとめた経典です。

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●ヨガスートラの概要

ヨガスートラは、パタンジャリという聖者によってまとめられたヨガの教科書です。
スートラとは、“詩”を意味していて、ヨガの方法教えが195の詩にまとめられています。
ここからは、4章に分けられたヨガスートラの内容を簡単にご紹介していきます。

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●第1章:ヨガの意味・目的・達成地点にあるもの(サマーディ・パーダ)

第1章は、ヨガを行う前の心の準備の章といえます。

全部で51詩あって、ヨガの本当の意味やヨガを行う際の姿勢や心構え、そして、ヨガを実践し続けると何が達成できるのかといったことが綴られてます。

ヨガという言葉は、「yujユジュ(=馬と馬車をつなぐくびき)」から来ており、繋がりや結合を表しています。
ヨガの目的は冒頭でご紹介した通り、心の動きを収めること。
感覚器官と心をつなぐ手綱をしっかりと握り、外からの刺激に影響を受けて暴走しないよう調教することで常に平穏が保たれ、自由と幸せがもたらされると説いています。

第1章の中で特に印象的なのは、心の性質を詳しく解説しているところです。
チッタとは、心の総称のことであり、様々な段階を含んでいます。

例えば、あなたがリラックスした状態でヨガのレッスンを受けていると、どこからともなく学校のチャイムが聞こえてきたとします。
その時、あなたの中のマナス(心の感知機能)が揺れ、その音をキャッチします
「なにか音が鳴っている」
するとブッディ(心の記憶機能)がその音の正体を思い出します。
「この音は、たしか学校のチャイムだ」
「そうだ、昔、仲間外れにされた小学校の教室で流れていたチャイムと同じ音だ」
そうなると、アハンカーラ(心の自我意識)が動き出します。
「あのときは本当に悲しかった、味方が誰もいなくて孤独だった・・・。今でもその時の心の傷が残っている」
そうなると、心は今という瞬間を離れて過去に戻り、悲しい思い出の中に浸り、もとのリラックスした状態には戻れなくなる。
これが通常の心の動きです。

しかし、もしマナスの段階で意識を今に戻すことができたら、ブッディから先に進まないように心を制御できたら、悲しみに苛まれず、平穏な状態を保つことができます。

ヨガを続けると、それが可能になるというのがヨガスートラの教えです。

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●第2章:ヨガの実践方法(サーダナ・パーダ)

第2章は、ヨガを実践するための方法が記されています。

全部で55詩あって、まずはヨガの実践に立ちふさがる苦悩について、それがどのような原因でどのように現れるのかを説き、後半は、苦悩からの開放に向かうための8つのステップ(ヨガ八支則)について解説されています。
そして後半では、ヨガ八支則の中の5段階までについて具体的な実践方法が綴られています。

第2章で印象的な内容の一つは、苦悩や悩みをもたらす5つの要因に関すること。

具体的には、
1)アヴィッディヤー(真実を知らないこと)
2)アスミター(こだわりが強いこと)
3)ラーガ(欲望)
4)ドヴェーシャ(嫌悪)
5)アビニヴェーシャハ(死への恐怖心)
があって、

1)、2)については、真実つまり、変化する心や身体は本当の自分ではなく、永遠に変わらないもの、アートマー(真我)こそが、本当の自分だと知ることで解決できるといいます。

3)、4)、5)については、ヨガ八支則を実践し続けることで解決できるといいます。

第2章で印象的な内容の二つめは、このヨガ八支則に関すること。
ヨガ八支則とは、①ヤマ②ニヤマ③アーサナ④プラーナヤーマ⑤プラティハーラ⑥ダーラナ⑦ディヤナ⑧サマーディ

ヤマとは、日常生活で避けるべきこと
・アヒムサ(傷つけない)
・サッティヤ(嘘をつかない)
・アスティヤ(盗まない)
・ブラフマチャリア(欲に溺れない)
・アパリグラハ(執着しない)

ニヤマとは、日常生活で追求すべきこと
・シャウチャ(清潔でいること)
・サントーシャ(満たされていること)
・タパス(修練を積むこと)
・スバディヤーヤ(聖典を学ぶこと)
・イーシュヴァラ・プラニダーナ(自然の摂理に委ねること)

アーサナとは坐ること(いわゆるポーズ、アーサナをとること)
プラーナヤーマとは、呼吸を整えること(いわゆる呼吸法のこと)
プラチャハーラは、感覚器官を統制すること
ダーラナは、集中すること
ディヤナは、瞑想すること
サマディは、悟りを開くこと

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●第3章:ヨガの真髄である瞑想の方法(ヴィブーティ・パーダ)

第3章は、ヨガ実践において最も重要なパートである瞑想について記されています。

全部で55詩あって、ヨガ八支則のラストの3ステップを占める瞑想の深まりを一つづつ詳しく綴っています。
また、瞑想を続けることで心や身体に起こること、感覚器官に起こること、知ることができること、変化すること、感じること、などが綴られています。

この章で印象的なのは、瞑想によってその人に沸き起こるかもしれない不思議な力に関する記述。
例えば、自分自身の性質・特徴について瞑想すると、自分の過去世がわかったり、感情について瞑想すると、他人の考えていることが自然と分かるようになったりするといいます。

また、強い動物例えばライオンのポーズや戦士のポーズをとって瞑想すると強さを身に着けることができたり、感覚器官を研ぎ澄ますことで、太陽や月といった自然、宇宙と一体化されたりするといいます。

しかし、このような不思議な現象は起きるかもしれないし起きないかもしれない、ヨガを行うことによる副産物であって真の目的ではないといいます。

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●第4章:ヨガを深めた先にあるもの(カイヴァリヤ・パーダ)

第4章は、ヨガを続け悟りに達した先に見える景色について記されています。

全部で34詩あって、この世界の仕組みや時間という概念について、また行いとその結果について、そして真実とはなにか?などについて綴られています。

この章で印象的なのは、輪廻カルマに関して綴られていること。
ヨガ哲学では、カルマと欲望が輪廻を生むと考えます。
今は過去のカルマの結果です。
アートマーという自分の真実を知らず、欲望によってカルマ(行為)を生むことで、それらのカルマを回収するために、人はまたこの世に戻ってこなければなりません。
しかし、ヨガを続け、真実を知ることができたらこれまでのカルマから開放され、輪廻から開放されることができるとヨガスートラは述べています。

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おすすめのヨガスートラ関連書籍

ヨガスートラ関連の書籍はたくさん出版されていますが、私のおすすめは2つあります。

一つは、向田みおさんの「やさしく学ぶYOGA哲学 ヨガスートラ」
こちらは、初めての方にもとても分かりやすく、現代的な表現で簡単に解説してくれています。

もう一つは、スワミ・サッチダーナンダ先生の「インテグラル・ヨーガ」
こちらは、ヨガスートラのディープな世界が表現されているので、本格的に学びたい方におすすめです。

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まとめ

今回は、ヨガスートラを元に、ヨガの本来の意味や目的、実践方法などを総合的にご紹介しました。

●ヨガとは、yuju、繋ぐ、結合といった意味があります。
●ヨガの目的は、揺れ動く心を制御して、常に平穏で自由で幸せな状態を保つことを目的としています。
●ヨガスートラとは、ヨガの教科書で、195詩が3章に分かれて綴られています。
●ヨガスートラの第1章では、ヨガを行う上での姿勢や心構え、目指すべきことといった実践の準備について解説されていて、またキーとなる心の仕組みについても説かれています。
●ヨガスートラの第2章では、苦悩の原因を綴るとともにそれらから開放されるためのヨガの実践方法が解説されています。ヨガ八支則が紹介されるとともに、前半5ステップについて詳しくまとめられています。
●ヨガスートラ第3章では、ヨガ八支則の後半3ステップ瞑想について詳しくまとめられているとともに、瞑想によってもたらせれるものについて解説されています。
●ヨガスートラ第4章では、ヨガを続けた先に見える景色についてまとめられています。
世界の仕組みや、輪廻やカルマについても綴られています。

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