2種類のドーシャで、本当の自分の肌タイプ・肌状態を見極める方法
よく美容雑誌などで、“自分の肌タイプに合わせたスキンケアをしましょう!”などと書かれていますが、自分の肌タイプを客観的に判断するのはなかなか難しいものです。
例えば、“自分では乾燥肌だと思っていたけど、美容部員さんにはオイリー肌と言われた”“以前は混合肌だったはずだけど、最近はTゾーンも乾燥するようになったから混乱する”など、その時々によって肌タイプの診断結果が変わることがあります。
毎日せっかく行っているケアがかえって肌トラブルを招いたり、高級なスキンケア製品が無駄になったりするのは悲しいですよね。
そこでご紹介したいのが、アーユルヴェーダのドーシャ理論を用いて自分の肌タイプと肌状態を見極める方法です。
簡単に分かりやすく解説していきますので、ぜひチェックしてみてください!
アーユルヴェーダドーシャとは?
アーユルヴェーダでは、ドーシャという生命エネルギーが人間の身体や心を動かしていると考えられています。
ドーシャには、ヴァータ・ピッタ・カパの3種類があり、それぞれ
●ヴァータ:風と空の要素を持つ
●ピッタ:火と水の要素を持つ
●カパ:土と水の要素を持つ
という性質があります。
人は皆3つすべてのドーシャを持ち合わせているのですが、その割合は人によって変わります。
ヴァータが過剰な人はヴァータ傾向、ピッタが過剰な人はピッタ傾向、カパが過剰な人はカパ傾向があると考えます。
このドーシャ傾向こそが、自分の体質・体調を表す指標となり、お肌タイプやお肌の状態を客観的に観るヒントとなります。
それぞれのドーシャの特長を知っておこう!
ここからは、ヴァータ・ピッタ・カパが身体にどのような影響を及ぼすかを具体的に解説していきたいと思います。
●ヴァータの肌傾向とは?
ヴァータを表すキーワードは風と空、特に風の要素が強いと考えます。
お肌においては、サラサラ感や透明感などをもたらします。
べとつきやニキビなどが出来にくく、角質が溜まるということも少ないです。
一方マイナス面としては、乾燥しやすいので冬は注意が必要です。
また、くすみやくまなどができやすいので、血行促は心がける必要があります。
●ピッタの肌傾向とは?
ピッタを表すキーワードは、火と水、特に火の要素強いと考えます。
お肌においては、ツヤや健康的な血色をもたらし若々しい肌質を保つことができます。
乾燥やしわも出来にくく、たるみなども起こりにくいのが特徴です。
一方マイナス面としては、皮脂の分泌が多く、ニキビなどの吹き出物ができやすいので、オイル美容やファンデーション選びには気をつけたいところです。
また、湿疹などの赤味がでやすく日焼けもしやすいので夏は注意が必要です。
●カパの肌傾向とは?
カパを表すキーワードは、土と水、両方の要素が同じように強いと考えます。
お肌においては、色白でシミくすみがなく程よい水分・油分を含みしっとりとしています。
肌トラブルも少なく、季節や外部要因に影響されない安定した強さがあります。
一方マイナス面としては、ターンオーバーが乱れて角質が溜まりがちです。
また、たるみやむくみが起こりやすいので、マッサージや顔ヨガなどでリンパの流れを良くすることを心がけましょう。
※ドーシャについて詳しく知りたい方はこちらのページをご確認ください。
生まれつきの体質と今の体調を知るための2種類のドーシャとは?
ドーシャには2種類あります。
プラクリティドーシャとヴィクリティドーシャです。
2つのドーシャを知ることで、自分のボディやマインドの状態を精密に診ることができ、必要な美容・健康ケア方法を判断できるようになります。
●生まれつきの体質である、プラクリティドーシャとは?
プラクリティドーシャとは、その人の生まれつきのドーシャで、生涯変わることはないと言われています。
その人のプラクリテドーシャがどのタイプになるかは、両親のプラクリティドーシャや受精卵として成長していく時の環境によって決まると言われています。
本来プラクリティドーシャは、その人のボディ・マインド・スピリット状態を最も左右するものなのですが、実際には成長する過程における様々な外部要因によって,その要素が覆い隠されてしまっていることが多いようです。
ただプラクリティドーシャは、あらゆる状況において自分に影響を与えやすいドーシャであり、本来の自分のお肌タイプと考えておく必要があります。
●今の体調である、ヴィクリティドーシャとは?
ヴィクリティドーシャとは、今増えているドーシャのことです。
プラクリティドーシャと違って、様々な影響を受けて常に揺らいでいるものです。
具体的には、食べるもの、見るもの、聞くもの,触るもの、場所、時間帯、季節、年齢、仕事など
様々なライフスタイルによって変化していきます。
ヴィクリティドーシャを自分で感じることができるようになり、小さなアンバランスを調整することができるようになれば,大きな体調不良や病気にならず、健康を維持することができると言われています。
その人のプラクリティドーシャやヴィクリティドーシャを診断する方法は,問診や脈診など色々あるのですが、正確に知るにはアーユルヴェーダ医師に診察してもらう必要があります。
そこまで本格的で無くてもよいけど、ちょっと診断してみたい…
という方は、本サイトのドーシャ診断を試してみてください!
※プラクリティドーシャ診断はこちらから
※ヴィクリティドーシャ診断はこちらから
“ヴィクリティドーシャ”が変わる要因を知って、上手に調整しよう!
お肌は時に、プラクリティドーシャとは異なる反応を見せることがあるのですが、その原因はヴィクリティドーシャにあると考えることができます。
ヴィクリティドーシャは、その人のライフスタイルによって常に揺らいでいるものですが、その変化には、予め予測しておくことができるものもあります。
ここでは、その傾向を解説していきます。
●時間帯でかわるドーシャ
1日24時間の中でも、時間帯によって増えやすいドーシャが決まっています。
●朝2時~6時、昼14時~18時…ヴァータの時間帯
●朝6時~10時、昼18時~22時…カパの時間帯
●朝10時~昼14時、夜22時~朝2時…ピッタの時間帯
24時間の間、お肌が大きく変化することは少ないと思いますが、普段乾燥肌の方が例えば日中赤ら顔になっても、“ピッタ時間だからかな?”と焦らずやり過ごすことができます。
●季節で変わるドーシャ
季節はドーシャに大きな影響を与えます。
ただ、アーユルヴェーダは四季のないインドの方で生まれたものなので、日本の季節に合わせて多少調整した傾向になります。
●春…カパの季節
●夏…ピッタの季節
●秋…ピッタ・ヴァータの季節
●冬…ヴァータの季節
例えば、夏に皮脂が増えるのはピッタの油性が強まるからだと言われており、冬に乾燥したりキメ粗くなったりするのは、ヴァータの乾燥性や粗性が影響していると言われています。
●年齢によって変わるドーシャ
プラクリティドーシャがどのタイプであっても、多くの人が必ず影響を受けるのが、年齢によるドーシャ傾向です。
●0歳~15歳…カパの年齢
●15歳~60歳…ピッタの年齢
●60歳~…ヴァータの年齢
少しでも長く美しく健康で過ごすためには、年齢ドーシャに応じたケアを取り入れていくことが大切です。
●その他
ヴィクリティドーシャに影響を与える要因は他にも、住んでいる場所や仕事の内容、人間関係、天体など様々なものがあります。
ただ、それらの傾向にただ振り回されて思い込んだりするのではなく、自分の5感で今の自分の状態を感じることができるようになりたいものです。
2つのドーシャを調整しながらベストなスキンケアを見極めよう
私がご提案するベストなスキンケアは、プラクリティドーシャをベースにして、ヴィクリティドーシャの調整を少し加えてアレンジするといった方法です。
例えば、自分のプラクリティドーシャ(生まれつきのドーシャ)が「ヴァータタイプ」だった場合、基本的には、保湿と血行促進を意識したスキンケアを行います。
ただ、冬はそれらを強化し、夏は減らすことを意識します。
また、早めにエイジングケア要素を取り入れたコスメを使ったり、スキンケアだけでなく、温かく水分を含む食事や十分な休息、規則正しい生活など、ライフスタイルにおいてもヴァータの要素を増やさないよう心がけていきます。
まとめ
今回は、自分の肌状態を客観的に判断するカルテのような役割を果たす2つのドーシャについて解説しました。
●ドーシャとは、人間の身体と心を動かしているエネルギーであり、プラクリティドーシャとヴィクリティドーシャの2種類があります。
●プラクリティドーシャとは、生まれつきの体質のことで、ィクリティドーシャとは、その時の体調のことです。
●スキンケアを行う上で、ベースにすべきなのはプラクリティドーシャです。
●ヴィクリティドーシャは、季節、年齢、時間帯などによって変化するもので、その揺らぎもスキンケアに取り入れていくことで、より安定したお肌状態を保つことができるようになります。