アーユルヴェーダ診断とは?様々なドーシャ診断法とタイプ別ケア方法
アーユルヴェーダの「5元素」や「ドーシャ」といったエネルギー理論を活用すると、自分の体質や体調を自分自身で簡単に診断できるようになります。
また、自分体質や体調が分かると、次々と目にする新しい美容・健康情報に惑わされなくなり、自分にとって本当に必要なケア方法を、正しく選ぶことができるようになります。
今回は、まずアーユルヴェーダのドーシャ理論に基づいた3種類のタイプをご紹介した上で、自分の生まれつきの体質や今の体調がどれに当てはまるのかを診断できる様々な方法をご紹介します。
そして最後に、それぞれのタイプに最適なボディ・マインドケア方法のポイントも解説していきます。
アーユルヴェーダにおける体質・体調診断とは?
アーユルヴェーダにおける診断とは、その人の“エネルギーバランス”ではかることを意味します。
アーユルヴェーダでは、人のボディ・マインド・スピリットは繋がっているもの考えており、それらは様々なエネルギーが形作っていると捉えます。
アーユルヴェーダのエネルギー理論を理解する上で、まず知っておかなければならないのが「5元素」と「ドーシャ」です。
●アーユルヴェーダ診断における基本原則となる「5元素」とは?
アーユルヴェーダでは、地・水・火・風・空5つの元素が、自然界のすべてを構成していると考えられています。
この5元素は、物質でもありエネルギーでもあります。
分かりやすいように人間の身体に当てはめて考えると、下記のようになります。
・地…骨や筋肉を構成し、コントロールしています
・水…血液やリンパ液を作り、コントロールしています
・火…分泌や消化といった働きに関係し、コントロールしています
・風…呼吸や循環を促し、コントロールしています。
・空…身体の中の腔をコントロールしています
●最も一般的なアーユルヴェーダ診断「ドーシャタイプ」とは?
上記の5元素を簡素化し、3つにタイプ分けしたものがドーシャです。
ドーシャを用いた体質診断は、アーユルヴェーダにおいて最も一般的な方法です。
・ヴァータ…5元素の中の、風と空の要素を持つ
・ピッタ…5元素の中の、火と水の要素を持つ
・カパ…5元素の中の、水と土の要素を持つ
それぞれのエネルギーについて、増えやすいものを自身のドーシャタイプとして捉えます。
例えば、風と空の要素・エネルギーが増えやすい人は“ヴァータタイプ”、火と水の要素・エネルギーが増えやすい人は“ピッタタイプ”、水と土の要素・エネルギーが増えやすい人は“カパタイプ”となります。
【アーユルヴェーダ式】自分の体質・体調を診断する方法
アーユルヴェーダでは、2種類のドーシャを診断します。一つは生まれつきの体質を表す「プラクリティ・ドーシャ」で、もう一つはその時の体調を表す「ヴィクリティ・ドーシャ」です。
正式なドーシャ診断は、アーユルヴェーダ医師の資格を持つドクターが専門的に行うものですが、自分でも診断する方法がいくつかあります。
ここからは、ドーシャ自己診断方法を6つご紹介していきます。
●アーユルヴェーダ診断法①:脈診
こちらは、脈の動きからドーシャバランスを診断するという方法です。
女性は左手首、男性は右手首を使って行います。
<女性の場合の方法 ※男性の場合は手が反対になります>
・左手のひらを上に向けます。
・右手を左手の甲側から回し左手首を後ろ方から掴みます。
・左手首の親指側の突起部分の先に、右の人差し指、中指、薬指を並べて当てます。
・この時に感じる脈の動き方でドーシャを診断することができます。
<脈の診方>
・人差し指に最も強い脈を感じ、蛇のようにうねうねと横に動くような動きをしている時
⇒ヴァータが増えている
・中指に最も強い脈を感じ、かえるのようにぴょんぴょんと上下に跳ねているような動きをしている時
⇒ピッタが増えている
・薬指に最も強い脈を感じ、白鳥のような頭を下から上に持ち上げるような動きをしている
⇒カパが増えている
●アーユルヴェーダ診断法②:身体の状態を観察する
こちらは、自分の身体の状態を観察することで、ドーシャバランスを診断するという方法です。
今感じている不調や痛みの種類などからドーシャの偏りを知ることができます。
・お肌が乾燥する、身体が冷える、便秘、血行が悪い、食欲に波がある、偏頭痛
⇒ヴァータが増えている
・ニキビができる、のぼせる、胃がキリキリと痛む、消化力が強すぎたり弱すぎたりする、食欲がいつもより旺盛になっている
⇒ピッタが増えている
・むくむ、太った、身体が重い、よく眠くなる、呼吸器系が不調、いつもより鼻が詰まる
⇒カパが増えている
●アーユルヴェーダ診断法③:心の状態を観察する
こちらは、自分の心の状態を観察することで、ドーシャバランスを診断するという方法です。
ドーシャは、マインドにも影響を与えるため、最近の心の傾向から今増えているドーシャを知ることができます。
・理由もなく不安になることがある、気が変わりやすい、落ち着かない、他者に関心が持てない
⇒ヴァータが増えている
・イライラしやすい、嫉妬深くなりやすい、他者に対して攻撃的になる、目的達成に躍起になっている
⇒ピッタが増えている
・依存心が強くなっている、融通が効かなくなっている、他者との交流が億劫になっている、保守的になっている
⇒カパが増えている
●アーユルヴェーダ診断法④:両親のドーシャから診る
生まれつきの体質を表すプラクリティドーシャは、両親のドーシャが大きく影響すると言われています。
例えば、母親のドーシャがカパで父親のドーシャがピッタであった場合、その子供はカパまたはピッタ体質になります。
特に、母親についてはその影響力が強く、子供がお腹の中にいる10ヶ月の間の母親のドーシャバランスが、子供のプラクリティドーシャ(体質)に大きく影響します。
●アーユルヴェーダ診断法⑤:年齢、季節から診る
ドーシャは、年齢や季節も影響します。
<年齢>
~15歳:カパが増えやすい年齢
15歳~60歳:ピッタが増えやすい年齢
60歳~:ヴァータが増えやすい年齢
<季節>
春:カパが増えやすい季節
夏:ピッタが増えやすい季節
秋:ピッタからヴァータへ移行していく季節
冬:ヴァータが増えやすい季節
●アーユルヴェーダ診断法⑥:問診票から診る
ここまでご紹介したドーシャ傾向をさらに詳細に分類した診断テストを作りました。
生まれつきの体質を知るためのプラクリティドーシャ診断と、今の体調を知るためのヴィクリティドーシャ診断に分かれています。
一つの診断につき40問ほどありますが、ご興味のある方はぜひ挑戦してみてください!
☆プラクリティドーシャ診断はこちらから
☆ヴィクリティドーシャ診断はこちらから
【アーユルヴェーダの体質・体調タイプ別】簡単にできる美容・健康法
アーユルヴェーダでは、自身のドーシャタイプを知り、それを調整することこそが、その人の美容と健康を最大限高めることだと考えます。
増えすぎたドーシャをバランスするには、それを減らすケアが必要となります。
●ヴァータが増えている時の美容・健康法
ヴァータをバランスするには、風と空を減らすことが必要となります。
<ボディケア>
・保湿(オイルは特にオススメ)
・温め
・エネルギー補給
・甘味・酸味・塩味を意識した食生活
・重さや湿り気のある食材摂取
<マインドケア>
・リラックス
・瞑想
・一定のリズムや規則正しい生活
・ピンクを身につける
●ピッタが増えている時の美容・健康法
ピッタをバランスするには、火と水減らすことが必要となります。
<ボディケア>
・クールダウン
・毛穴ケア
・皮脂調整
・甘味や渋味・苦味を意識した食生活
・重く冷たい食材の摂取
<マインドケア>
・冷静
・呼吸法
・可愛いものや癒やされるものに触れる
・ブルーを身につける
●カパが増えている時の美容・健康法
カパをバランスするには、水と土を減らすことが必要となります。
<ボディケア>
・デトックス
・マッサージ
・運動
・食べすぎない食生活
・甘味・酸味・塩味を控える食生活
<マインドケア>
・行動量を増やす
・人とのコミュニケーションを増やす
・イベント毎に参加する
まとめ
今回は、アーユルヴェーダおける体質・体調診断の方法とそれぞれのタイプの傾向、そしてタイプ別の最適な美容・健康法をご紹介しました。
・アーユルヴェーダにおける体質・体調診断では、地・水・火・風・空の5元素と、それを簡素化したヴァータ・ピッタ・カパのドーシャを用いたエネルギー理論が基本となります。
・その人の体質・体調はドーシャでを診断することが多く、自己診断するには、脈診、体調診断、心の状態診断、両親のドーシャを元にした診断、季節・年齢を元にした診断問診といった方法があります。
・自分の美容と健康を最大限に高めるには、自分のドーシャ傾向を減らすことでバランスを整えることが必要となります。
・ヴァータは風と空を減らすこと、ピッタは火と水を減らすこと、カパは水と土を減らすことが必要となります。