マッサージやうがい等色々使えるごま油~キュアリング方法もご紹介~
アーユルヴェーダでは、植物オイルというとキュアリングしたごま油を指します。
ごま油といっても、多くの人がイメージするような中華料理で使う香ばし香りのものではなく、匂いも色もない非焙煎のごま油なのでご安心を…
一度熱して不純物を取り除いたごま油は、さらさらしていて、マッサージやうがいなど様々な美容・健康ケアに活用することができて便利です!
今回は、キュアリングの方法やごま油の美容・健康効能、使い方などをまとめました。
ごま油のキュアリングとは?ごまの健康・美容成分と共にご紹介
キュアリングは、元々英語のcure、つまり治療が語源です。
食物の収穫時、切り口にできた傷口を乾かしたり高温多湿の環境下においたりしてコルク層を発生させ、塞ぐことで、食物に菌が入るのを防ぐことを指すのだそうです。
●アーユルヴェーダのごま油キュアリングとは?
アーユルヴェーダのごま油キュアリングとは、火で熱することで水分等の不純物を取り除いたり、抗酸化作用の高い栄養素を引き出したりすることです。
キュアリングしたごま油はさらっとした感触になり、マッサージやうがいなどにも使いやすくなります。
●ごま油に含まれる健康・美容成分
ごま油に含まれる最も代表的な栄養素は、ポリフェノールの一種である「ゴマリグナン」です。
ゴマリグナンは、セサミン、セサモリン、セサモール、セサミノールといった成分で構成されており
老化の原因とされている活性酸素から細胞を守る効果が期待できます。
ごま油にはその他、必須脂肪酸の「α-リノール酸」や、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できる「オレイン酸」、抗酸化作用のある「ビタミンE」、抗酸化作用のある酵素を作る「セレン」などが含まれています。
ごま油のキュアリングをやってみました!
<準備するもの>
・太白ごま油(焙煎されていないもの)
・お鍋
・温度計
・保存容器
保存容器は、最初に煮沸消毒しておくのがオススメです。
お鍋にごま油をすべて入れて火にかけます。
弱火にしておきます。
しばらくしたら温度が上がってきます。
93℃ぐらいになったら、火を止めます。
火を止めて温度計を挿したまま、自然と100℃~110℃ぐらいになるのを待ちます。
粗熱が取れたら、保存容器に入れて完成です。
完成したキュアリングごま油は、常温の冷暗所で保存します。
一度キュアリングしたごま油の保存期間は1~1.5ヶ月ほどです。
キュアリングしたごま油の使い方
キュアリングしたごま油は、様々な活用法があります。
もちろん料理に使用しても問題ありません。
●マッサージオイル
全身のオイルマッサージに使えます。
ヴァータ体質の人はたっぷりと、カパ体質の少しづつ、ピッタ体質の人は赤みが出ていないかに注意しながら使ってください。
●手作りスキンケアクリーム
溶かした蜜蝋と混ぜて、スキンケアクリームを作ることも可能です。
●パフュームオイル
好きなアロマオイルをブレンドして、ロールオン容器香に入れておくことでパフューム代わり使うことができます。
●ごま油うがい(オイルプリング)
ごま油うがいに使うことができます。
オイルプリングの方法や美容・健康効能については、こちらの記事でご紹介していますので、是非チェックしてみてください!
「アーユルヴェーダによるお口の健康法“オイルプリング”のススメ」
アーユルヴェーダドーシャ別☆キュアリングごま油の活用をオススメする人・しない人
アーユルヴェーダにおいてごま油は、身体の中をデトックスしたり、体力を増強したり、身体を温めたりする効果があると言われています。
アーユルヴェーダドーシャから見ると、増え過ぎたヴァータを調整する働きが強いと言われています。
またカパについても、通常はあまりオイルを良しとしないドーシャですが、ごま油については取り入れても悪化させません。
ピッタについては、マッサージなどに使用すると赤みがでる可能性もありますので、注意しながら使いましょう。場合によっては、ココナッツオイルなどに代用するのもよいと思います。
※ココナッツオイルはキュアリングの必要はありません。
ただ、元々ピッタ体質の人でも、乾燥する冬や60歳以降のヴァータ増えやすい年齢の方は、ぜひドーシャ調整に使ってみてください。
キュアリングする時間がない人へ
“ごま油を使ってみたいけど、キュアリングする時間がない…”という方にオススメなのは、すでにキュアリングしてくれているごま油を買ってしまうことです。
アーユルヴェーダトリートメントなどでよく使われているのはこちらの“瑞健”のごま油です。
サラッとした上質なごま油で、マッサージにも使いやすいです。
一応マッサージオイルとして販売されているものなので、オイルうがいに使うのは難しそうです。
商品の詳細は、こちらの公式サイトをご確認ください。
まとめ
今回は、ごま油のキュアリングについてをご紹介しました。
●キュアリングとは、自然の食物を高温多湿下に置いたり乾かしたりすることで,腐敗しづらい状態にすることを指します。
●ごま油のキュアリングとは、ごま油を高温に熱することで水分等の不純物を取り除き,抗酸化作用のある栄養成分を引き出すことを意味します。
●ごま油には、セサリグナンビタミンE、セレンなどといった抗酸化作用のある成分やリノール酸、オレイン酸といった様々な栄養素が含まれています。
●ごま油のキュアリングは、ごま油を100~110℃に熱するだけで完了します。
●キュアリングしたごま油は、マッサージ、パフューム、うがいなどに使えます。
●ごま油は、ヴァータの鎮静に役立ちます。またカパを増幅させづらいオイルです。