アーユルヴェーダ・マントラでビューティーマインドを身につける方法
アーユルヴェーダにはマントラを使った調心法があります。
マントラというと、普段の生活ではあまり馴染みのないものかもしれませんが、上手に取り入れることができたら、健康や美容にも良い効果をもたらします。
今回は、マントラの歴史や現代医学との関係、そして初めてでも簡単にできるマントラの実践方法をまとめました!
アーユルヴェーダに記されているマントラの力とは?
アーユルヴェーダでは、病気の治療や健康長寿の療法の一つとしてマントラが記されています。
マントラは、サンスクリット語で「文字」や「言葉」と訳されるそうですが、漢訳では「真言」となるそうです。
●マントラの歴史
マントラの起原は、紀元前13世紀よりも前にさかのぼります。
アーリヤ人がインドに侵入する前のインド・イラン共通時代の頃から、火神(アグニ)にマントラを捧げることで、敵を退け、病を癒し、害毒を除くことを祈っていたのが始まりだと言われています。
その後マントラは、バラモン教の経典である「ヴェーダ」にまとめられて、仏教にも伝わっていきました。
マントラは神々に奉る讃歌であり、反復して数多く唱えることで、病気の治療や魔除け、延命などにつながると考えられていました。
マントラは闇雲に作られたものではなく、宇宙からの波動と一致する“神の音”であると言われています。
マントラがまとめられいるヴェーダでは、マントラのエネルギーを享受するためには、ルールや正確な発音に沿わなければならないと記載されていますが、実際に今も古代と変わらない音を発声できる人がいるのかどうかは不明です。
現代においてはそこまで追求しなくても、必要な時に今の音で唱えるだけで十分エネルギーを享受できると考えます。
(筆者考え)
脳が変わったら、身体も変わる、音でキレイになる身体の仕組み
マントラをアーユルヴェーダの視点で解説すると、どうしてもスピリチュアルに聞こえるかもしれないのですが、「マントラ=音の一種」という視点で考えると、人間の身体に大きな影響を与えていることはなんとなく想像できるかと思います。
●音とは?
そもそも音とは何か?というところから考えてみます。
音とは、Wikipedia的にいうと、物がこすれ、またぶつかってでる空気の震えが耳に届いて聞こえるもののことです。
ただこの“空気の震え”というのは音波とも言われ、耳に届く音だけでなく、実際には聞こえないものの確かに空気が震えている、超低音波、超高音波なども含まれます。
●音と脳の関係
それでは音が人間の身体に届く仕組みを見てみましょう。
耳から入ってきた音は、波形(音色)、周波数(高さ)音圧(大きさ)の電気信号となって脳に伝わり
脳に蓄積されている音のデータパターンと照らし合わせて初めて認識されます。
音の電気信号は、呼吸は心拍、消化など生命維持に関わる働きをする脳幹や自立神経の働きを機能させる視床、運動に関わる大脳皮質といった、脳の重要な部位を通ることになります。
●注目されている音楽療法とは?
音は心理的にも大きな影響を与えると言われています。
それは、ジャズを聞くとまったりとした気分になるとか、クラブ・ミュージックを聞くと気分が高揚するなど、普段の生活でも実感できると思います。
今、音楽を通じて脳の働きを活性化させる「音楽療法」の研究が積極的に進められており、特に、アルツハイマー病への効果が大変期待されてます。
●音でキレイになるとは?
音が美容に与える影響は、脳に関係すると言えます。
例えば、ネガティブな言葉ばかりを発していると、脳がそれにクセづいて
笑わなくなる→頬が下がる→ほうれい線が濃くなる
反対に、ポジティブな言葉ばかりを発していると、脳がそれにクセづいて
笑うことが増える→代謝が上がって顔色がよくなる→表情筋が上がってキレイになる
一般的な美容療法に比べると、些細なことのように感じますが、1日100回、それが1年、5年、10年と考えると結果的に大きな違いになってきます。
身心を美しくするアーユルヴェーダマントラの唱え方
ここからは、初心者でも手軽に生活に取り入れられるマントラの唱え方をご紹介します。
●マントラを唱えるタイミング
マントラを唱えるタイミングはいつでもOKです。
ざわついた心を落ち着かせたい時や、イライラを沈めたい時、悶々ととした心をスッキリさせたい時など、マインドを切り替えたいタイミングでもよいです。
また、5感をクリアにしたい時、瞑想の時、クリエイティビティを高めたい時など、自分を高めたいタイミングでもOKです。
マントラを習慣にしたいなぁと考えている方は、朝か夜寝る前のルーティンに組み込んでみるのもおすすめです。
●代表的なマントラ
アーユルヴェーダに記されているマントラには、様々な種類がありますが、ここでどの様な人でも、どの様な時でも身心を整えてくれるマントラを2つご紹介します。
「Shanti(シャンティ)」
・平穏・休息・至福といった意味を持つマントラです。
・基本的に3回唱えます。
・1回目は自分自身に向かって、2回目は自分を取り巻く環境へ人々に向かって、3回目は世界すべての環境や人々に向かって祈りを捧げます。
「OM(オーム)」
・創造・維持・破壊という宇宙の真理を表すマントラです。
・唱えることで心が浄化すると言われています。
・円形をイメージして、循環するように唱えると良いと言われています。
●マントラの3つの唱え方
唱え方は3種類あります。
・バイカリ:大きな声で唱える
・ウパンシュ:つぶやくように唱える
・マナーシカ:声にださず心の中で唱える
最も良いと言われているのは、バイカリなのですが、ウパンシュやマナーシカでも効果がありますので、状況に合わせて選択してみてください。
アーユルヴェーダが教えてくれる言葉の美容法
いきなりサンスクリット語の聞き慣れないマントラを唱えるのは難しいなぁ…という方は、普段使う子言葉から始めてみるという方法もあります。
●ポジティブワードを口に出す
・“ありがとう”“幸せ”など、美しい言葉を少し意識して発してみる
・好きなことしている時に“楽しい”と口にしてみる
・“綺麗”“幸せ”“かわいい”“落ち着く”など、ポジティブな感情を
どんどん口にしてみる
思っていないことを無理に言う必要はありません、ただ思った時には忘れずに口にしてみてください。
口に出すのも難しいという方は、マナーシカ、声に出さず心の中で唱えるというところから始めてもよいと思います。
それだけでも、脳が反応してビューティーマインドにしてくれるはずです。
●ネガティブトークはポジティブワードで終わる
一方で、日常生活の中ではネガティブな出来事が起こったりネガティブな気持ちになったりすることも
当然あると思います。
そんな時は、自分の中に溜め込まずに吐き出してOKだと思います。
無理にポジティブになる必要はないですし、吐き出さないとアーマ(アーユルヴェーダでいう毒素)を身体に溜め込んでしまいます。
ただ、ネガティブな話をネガティブで終わらせないようにしてみましょう。
最後に必ず“でも勉強になった”“他人のフリ見て我がふり直せだね”“今となっては笑い話だけど”など、なんでも良いのでポジティブワードで締める、これで自分もスッキリ、聴いてもらった相手もスッキリします。
まとめ
今回は、ビューティーマインドを作るマントラの基礎知識を解説しました。
●マントラは真言のことであり、昔は病気の治療や魔除けのために神々に奉る讃歌でした。
●マントラは古代より、宇宙の波動と一致する神の音とされていました。
●マントラが音の一種であり、音は人の健康に良いよいにも悪いようにも影響を及ぼします。
●代表的なマントラは「シャンティ」や「オーム」などがあります。
●マントラと同じ様な作用を得るには、ポジティブワードを発するという方法があります。