プラーナ・テージャス・オージャスとは?その意味と働きを徹底解説!
今回は、プラーナ・テージャス・オ-ジャスについて解説しています。
プラーナ・テージャス・オージャスは、生命に必要な様々な物質や働きを表すアーユルヴェーダ独特の概念です。
これら3つを活き活きと働かせることで、体力・自己免疫力の高い身体や幸せで満たされた心、そしてオーラや輝きが内側から滲み出てくると言われています。
今回はこのプラーナ・テージャス・オージャスについて、現代医学の視点も取り入れながら解説するとともに、活き活きと働かせるための方法などもまとめました。
と~ってもマニアックな内容になっていますが、もしご興味を持って頂けるようでしたらぜひご一読ください!
※本記事の中の医学的な内容は、医師執筆のアーユルヴェーダ関連書籍を参考にしてまとめています。
アーユルヴェーダ理論の一つ、プラーナ・テージャス・オージャスとは?
アーユルヴェーダでは、物質でありエネルギーでもあるプラーナ・テージャス・オージャスは、生命活動において重要な役割を果たしていると考えます。
プラーナ・テージャス・オージャスは、物質でありエネルギーでもあります。
エネルギーというと少し怪しい感じなのですが、5,000年前の医学が発達していない時に体系化された理論ということでシンプルな言葉が使われています。
●プラーナ・テージャス・オージャスを現代医学用語で表すと?
プラーナ・テージャス・オージャスをは、現代医学用語でも類似するワードがあるそうです。
物質的な役割としては、プラーナは神経インパルス、テージャスは胆汁や酵素、オージャスはアミノ酸や核酸などが近い存在だと言われています。
エネルギー的な役割としては、プラーナは呼吸、テージャスは消化・代謝、オージャスは組織結合が近いのですが、アーユルヴェーダではより微細な粒子や力といった複雑な概念と考えられています。
●プラーナ・テージャス・オージャスの関係性
プラーナ・テージャス・オージャスはそれぞれの役割を持ちますが、個々で働くのではなく、繋がり合い互いに影響を与え合いながら活動しています。
健康で幸せに長生きするためには、プラーナ・テージャス・オージャスを活き活きと働かせることが大切で、食事・運動・休息といった生活習慣にそのヒントがあります。
アーユルヴェーダで生命の循環を担う「プラーナ」とは?
プラーナとは、生命活動における循環の働きを担うエネルギーであり物質です。
具体的には、呼吸、酸素供給、体液循環といった活動エネルギーと、運動器官や感覚器官などを制御する電気信号を指すと言われています。
またアーユルヴェーダの基本原則で観ると、プラーナは5元素の中の「風」にあたり、アーユルヴェーダドーシャにおけるヴァータと関連の深いです。
※ヴァータドーシャについては、こちらで詳しく解説しています。
「アーユルヴェーダにおけるドーシャの一つ“ヴァータ”について徹底解説!」
●プラーナのエネルギー的な役割
プラーナは現代医学で考えると、呼吸、酸素供給、体液循環といった“運搬”の役割を担っていると考えられます。
中でも、最も関係性が深いのは呼吸です。
呼吸によって、酸素をはじめ様々な栄養素や外界エネルギーを取り入れて、体中の必要な場所に届ける動きを司ります。
●プラーナの物質的な役割
プラーナは、現代医学でいう脳からの電気信号の役割も担っていると考えられます。
視床下部から電気信号となって身体の様々な感覚器官や神経に司令を届ける、この働きをアーユルヴェーダではプラーナ考えます。
●プラーナとヴァータの関係
プラーナとヴァータは、同じものであるけど姿が変わったものと言えます。
例えば水と水蒸気のような感じです。
プラーナは、ヴァータが安定した状態のものであり、反対に過剰になったものがヴァータです。
例えば消化力が強くプラーナが十分に身体に取り込まれればヴァータは適量しか発生しませんが、逆に、消化力が弱くプラーナな十分に身体に取り込まれなかった場合、ヴァータが過剰に発生します。
これは、ドーシャがサンスクリット語で「過剰なもの」「余分なもの」を意味することからも良くわかります。
●プラーナの不具合で起こる不調
プラーナが流れなくなると、身体の中に栄養が運ばれず、あらゆる内蔵の働きがうまく行かなくなり
身体全体の働きも悪くなります。
また、身体だけでなく心ににも影響を与え、ボディ・マインド・スピリットが分断してしまったり、鬱などを招くこともあります。
●プラーナを活き活きと働かせる方法
プラーナを流し、活き活きと働かせる上で最も大切なのは呼吸です。
自律神経と整えるナディショーダナやカパラバティと言った呼吸法も効果的ですが、ゆっくり吸ってゆっくり吐くこれをしばらく繰り返すだけでも、滞っているプラーナが流れるようになります。
また自分の素直な感情を無理に抑えたり否定したり、見て見ぬふりをしたりせず、ありのままに見つめて“そのままでいいよ”と自分に伝えるといったマインドケアも有効です。
プラーナは食べ物にも含まれています。
新鮮な食べ物や、心を込めて作られた料理にはたくさんのプラーナが含まれます。
一方、加工しすぎたもの、不安定な精神状態で作られたもの、料理してから時間が経ちすぎているものにはプラーナが含まれない、あるいはアーマが発生している可能性がありますので注意が必要です。
これらのケアを行うだけで、プラーナの通り道であるスロータスが浄化されてプラーナの流れがよくなっていきます。
アーユルヴェーダで生命への変換を担う「テージャス」とは?
テージャスとは、生命活動における消化や変換の役割を担うエネルギーであり物質です。
具体的には、食べ物を分解して柔らかくなめらかにする熱と、それらを身体が吸収可能な状態にする変換エネルギーのことを指すと考えられています。
アーユルヴェーダの基本原則では、5元素の中の「火」を表し、アーユルヴェーダドーシャにおけるピッタと関連の深いです。
●テージャスのエネルギー的な役割
現代医学で考えると、テージャスは消化、燃焼、代謝といった“加工”の役割を担っていると考えられます。
食べ物に熱を加えて分解し身体が吸収可能な状態に変えていく動きです。
テージャスは、アーユルヴェーダにおいて大変重要視されているアグニととても関連が深く、アグニの中の更に微細な粒子がテージャスとだとされています。
※アグニについては、こちらでも詳しく解説しています。
「美容食材の吸収もUP!アーユルヴェーダアグニ(消化力)を調整する方法」
●テージャスの物質的な役割
テージャスは、現代医学でいう胆汁や酵素の役割も担っていると考えられます。
胆汁とは、肝臓で生成される脂肪を分解するための液体であり、酵素は、栄養素を消化・吸収・代謝するために必要な触媒です。
●テージャスとピッタの関係
テージャスは、ピッタの安定したエネルギーであり、テージャスが不足したものがピッタです。
例えばテージャスの熱が不足すると、火を活性化させようとピッタが過剰になり身体に炎症を起こします。
また、テージャスは、オージャスにも影響を与え、テージャスが過剰になると、質の悪いなオージャスが増え、逆にテージャスが不足するとオージャスが生成されず、組織が乾燥したり焦げてしまったりします。
※ピッタドーシャについては、こちらで詳しく解説しています。
「アーユルヴェーダにおけるドーシャの一つ“ピッタ”について徹底解説!」
●テージャスの不具合で起こる不調
テージャスの働きが悪くなると、食べ物の消化、燃焼、代謝がうまく行かず、身体に必要な栄養が吸収されなくなります。
また、身体だけでなくマインドにも影響を与え、解消されないストレスが蓄積したり、消化されないエネルギーが外に向けられて攻撃的になったりします。
身体・心・精神が結びつかず、それぞれが暴走してしまうこともあります。
●テージャスを活き活きと働かせる方法
テージャスを活き活きと働かせる上で大切なのは運動です。
身体を動かすことで熱が発生し、食べ物の消化、燃焼、変換を助けます。
激しい運動ではなく、身体の細胞やエネルギーに働きかけられるヨガのような運動がオススメです。
マインドにおいても、消化不良が起こらないように瞑想をしたり哲学を学んだりして、心の変換方法を見に付けましょう。
テージャスは、プラーナやオージャスの影響も多いに受けます。
プラーナやオージャスを最適に働かせることがテージャスにも良い影響を与えます。
アーユルヴェーダで生命への結合を担う「オージャス」とは?
オージャスとは、生命組織そのものやそれらを結合を担うエネルギーであり物質です。
具体的には、アミノ酸や核酸、そしてそれらを繋げる粘液や滑液などを指すと考えられています。
アーユルヴェーダの基本原則では、5元素の中の「水」を表し、アーユルヴェーダドーシャにおけるカパと関連の深いです。
●オージャスのエネルギー的な役割
オージャスは現代医学で言う、基礎体力や免疫力、決断力などを司ると考えられています。
またアーユルヴェーダでは、ボディ・マインド・スピリットの強さや結びつきは、オージャスに左右されると考えられています。
●オージャスの物質的な役割
オージャスは現代医学でいう組織を構成するタンパク質、脂質、アルブミン、グロブリン、ホルモンなどの役割を担っていると考えられています。
アーユルヴェーダでは、食物が7つのダートゥで消化される際に抽出されると考えられています。
●オージャスとカパの関係
オージャスは、カパが活性化したものであり、過剰になったものがカパです。
オージャスが身体の中で適切に使われなければ、カパによって粘液状の毒素に変換されてしまいます。
※カパドーシャについては、こちらで詳しく解説しています。
「アーユルヴェーダにおけるドーシャの一つ“カパ”について徹底解説!」
●オージャスの不具合で起こる不調
オージャスが生成されなくなると、体力が落ちたり免疫力が下がると共に、さらなるオージャスの低下を招いて、心身の病気、病原菌への感染、過剰な運動、成人病(糖尿病・リウマチ・がん・腫瘍)などを引き起こすと考えられています。
またテージャスの低下がオージャスにも影響し、自己免疫疾患を引き起こすこともあります。
オージャスは、ダートゥが作り出される最初のステップ、ラサ(血漿)がうまく働かないと、乾燥した貧弱な組織になり、オージャスが不足します。そして、ラクタ以下のダートゥにも影響を与えます。
●オージャスを活き活きと働かせる方法
オージャスを活き活きと働かせる上で大切なのは“食事”です。
オージャスは、体質、体調、季節などに応じた適切な食物を取り入れ、また適切に消化することで抽出され、その人にオーラ、強さ、輝きをもたらします。
アーユルヴェーダでは、オージャスはギーに例えられることがあり、体内で枯渇した時には積極的に補いたい栄養です。
また、程よい運動、規則的な食事、安心、平穏、喜びと言った感情もオージャスの生成を促します。
まとめ
今回は、生命活動において重要は働きを担うプラーナ・テージャス・オージャスについて解説しました。
●プラーナ・テージャス・オージャスは、エネルギーであり物質でもあります。
●現代医学で置き換えると、プラーナは神経インパルスや呼吸、テージャスは胆汁・酵素や消化・代謝、オージャスはアミノ酸・核酸や組織結合などが近い存在だと言われています。
●プラーナは、身体の循環・運搬運動を担います。流れが滞ると心身働き悪くなるため、呼吸に意識を向けること、プラーナが多く含まれる新鮮な食物を摂る事が重要となります。
●テージャスは、身体の消化・変換運動を担います。消化や分解の動きが悪くなるとピッタが過剰になって炎症を起こしたり、未消化物(アーマ)を発生させるため、運動によって火を燃やし続けること
またマインドにおいても未消化のまま放置しないことが重要です。
●オージャスは、身体の組織そのものであり、組織同士の結合運動を担います。オージャスが不足すると
体力や免疫力が低下するため、食事に気をつけること、そして安心、喜びといった感情を持つことが重要です。