美容食材の吸収もUP!アーユルヴェーダアグニ(消化力)を調整する方法
“いろんな美容食材を試してみたけど、自分の身体に合うものが見つからない…”
“いまいち効果が得られない…”
そんな悩みを抱えている方は、もしかしたら美容食材そのものではなく、自身の消化力に改善の余地があるのかもしれません。
5000年前から伝わる伝統医学“アーユルヴェーダ”においても、健康長寿を実現する上で消化力はとても大切だとされています。
今回は、美容食材をはじめ毎日のたべる食物を、より効果的に吸収するためのアグニの調整方法を解説していきます!
【アーユルヴェーダの基礎理論】食物の消化・代謝を司るアグニとは?
アーユルヴェーダでは、すべての食物は食べ方や体内での反応次第で、薬にも毒にもなりうると考えられています。
口から入ってきた食べ物ができる限り栄養素となり、身体の中で良い働きをしてもらうためには、「アグニ」がとても重要な役割を果たします。
●アグニとは?
アーユルヴェーダの中でアグニは、“消化の火”とか“代謝の火”と訳されているのですが、意味はその名の通り、口から入った食べ物を消化したり、分解して栄養素に変えたり、それを吸収・排泄していったりする働きのことで、身体の中で起こるあらゆる“変換のエネルギー”を指します。
アグニは強すぎても弱すぎてもダメで、程よいバランスを維持することで食物の持つ栄養素を最大限に引き出すことができます。
●美容食材の働きもアグニ次第
美容に良いと言われている食材はたくさんあります。
例えば、美肌に必須のビタミンCと言えば、ザクロやピーマン、カムカム、キウイなどがありますね。
これらは酵素を壊さないためにも生のまま食べる必要があります。
また、お肌の粘膜やバリア機能を高めるビタミンAには、レバーやうなぎ、卵などがあり、これはなかなかお腹にどっしりくるものが多いです。
これらの食材を美容に良いからとたくさん食べている方も多いかもしれませんが、実際には身体の中で消化・吸収できているかは分かりません。
本当に必要なビタミンCやビタミンAを細胞まで行き渡らせることができるかどうかは、口に入った後の消化力次第なのです。
●アグニが不調になると…?
もし、アグニが不調になるとどうなるのでしょうか?
例えばアグニが弱くなった場合、口から入ってきた食べ物が体内で消化されないというだけでなく、消化されなかった食べ物がアーマと呼ばれる「毒素」に変わります。
またアグニが強すぎた場合、アグニの火によって口から入れた食物が必要以上に燃やされてしまい、やはり「毒素」を作り出してしまいます。
●アグニが上手く調整できると…?
一方、アグニがほどよく調整できるとどうなるのでしょうか?
口から入ってきた食べ物は、消化・分解されて必要な酵素と結びつき、立派な栄養となって体内に吸収されていきます。
このようなフレッシュな栄養素を、アーユルヴェーダではオージャス(活力素)と言います。
また、オージャスが体内に吸収された後の燃えカスを「ラマ」といい、便などとなって体外へと排出されていきます。
アーユルヴェーダドーシャから自分のアグニ(消化力)の傾向を知ろう
一人一人のアグニの強さというのは、アーユルヴェーダドーシャによって変わります。
アーユルヴェーダドーシャとは、身体の働きをコントロールしている生命エネルギーのことで、3つに分類されています。
ヴァータ・ピッタ・カパ、自分がどのドーシャなのか?そしてそれぞれのドーシャにおいて、アグニはどのような傾向があるのか知り、それに合わせて調整するようにしましょう。
自分のドーシャを知りたいという方は、こちらのドーシャ診断を試してみてください。
●ヴァータのアグニ(消化力)傾向
ヴァータは風の元素を持っており、過剰になると不安定になったり優柔不断になったりする傾向があります。
それに伴ってアグニ(消化力)も時によって弱かったり強かったりと繊細である場合が多いです。
ヴァータの人の消化力がアンバランスになると、循環機能や神経系の症状が出る傾向があります。
自分の今の消化力を見極めて、食べるもの・タイミングなどを見極めるようにしましょう。
●ピッタのアグニ(消化力)傾向
ピッタの象徴である火の元素は、まさにアグニのことを指しているといっても過言ではありません。
ピッタの消化力は強く、激しい傾向があります。
ピッタの消化力が過剰になると、胃潰瘍が十二指腸潰瘍になることがありますが、これは、消化力が強すぎて自分の臓器まで燃やしてしまっているのです。
ピッタの人は、刺激物に注意すると共に過剰になっている時は、鎮静ものを取り入れて調整するようにしましょう。
●カパのアグニ(消化力)傾向
カパは、遅性や粘性、重性といった性質を持っておりそれらは消化力にも影響を与えます。
カパの消化力はゆっくりしているので、胃がもたれることがあります。
カパが過剰になると、肥満症や糖尿病などを招くこともあります。
カパの人は、オイル系を摂りすぎないように注意し、スパイスで消化力を強める対策がオススメです。
アグニ(消化力)を調整してくれる食べ物・スパイスをご紹介
ここからは、ドーシャに関わらずアグニ(消化力)を調整してくれる、オススメの食物やスパイスをいくつかご紹介していきます。
食事に取り入れながら、自身の消化力を調整してみてください。
・地産地消
・旬の食材
・白湯
・生姜
・ギー
・黒胡椒
・クローブ
・カルダモン
・セイヨウワサビ
・カイエンペッパー
・マスタードシード
・シナモン
アグニ(消化力)を整えて幸せ&美容栄養素を生成する食事法
アグニは、食材だけでなく食事の摂り方にも影響を受けます。
下記は、どのドーシャにも当てはまる、アグニの調整に役立つ食事法です。
ぜひ参考にしてみてください。
●自分の今のドーシャと消化力を把握した上で食事を摂る
●食べすぎない、胃の1/3~1/4は空ける
●食事の間隔を開ける
(前が軽い食事の場合は2~4時間空ける、しっかリ食べた場合は4~6時間空ける)
●お腹が空いた状態で食べる
(前の食事の未消化物を残さない)
●落ち着いた環境と精神状態で座って食べる
●好き人と食べる
●食事に集中する、TVやスマホを見ながら食事しない
(特にアクション・ホラー系の映像は消化力を低下させる)
●冷たいものは控える
●生のものは控える
(特にアグニが低下している時)
●早すぎも遅すぎもせず適度なスピードで食べる
●カフェイン、塩、アルコールなどの刺激物に注意する
●食事中にお水を飲みすぎない
(消化液を薄めるため、必要な場合は白湯を少しづつ)
●食後数分間は静かに座って、消化の状態を見つめる
●チューイングガム、ハードキャンディー、ブレストミントなどを一日中口にしない
(アグニを混乱させる)
まとめ
今回は、アーユルヴェーダで大切にされている「アグニ(消化力)」について解説しました。
●アグニとは、消化力・代謝力のことで、バランスよく働くと食物から豊富な栄養素を生成し、バランスを崩すと食物から毒素を生成します。
●アーユルヴェーダドーシャによって消化力に対する傾向が変わります。
●アグニ(消化力)を整えるには、生姜やギー、黒胡椒、アルダモンなどといったスパイスがオススメです。
●アグニ(消化力)を整えるには、食べすぎない、食事を落ち着いて楽しむ、冷性のものは避ける、といった食事法を取り入れることが大切です。