アーユルヴェーダを基にした秋の快適な過ごし方~世界の傾向と暮らし方の知恵を解説~
今回は、アーユルヴェーダを基にした秋の過ごし方をご紹介します。
日本の秋は、暑く厳しい夏と、寒く凍てついた冬に挟まれた季節です。
気候の変化によって体調を崩しやすい人も多いと思いますが、アーユルヴェーダの知恵を取り入れれば、心と身体を上手に順応させることができます。
今回はアーユルヴェーダの考え方を基に、秋の世界がどのような性質を持つのかを解説した上で、快適に過ごすためのライフスタイル術をご紹介していきます!
アーユルヴェーダが考える秋の世界とは?増えやすいエネルギーや性質を知っておこう
アーユルヴェーダにおいて秋は、季節の変わり目となる複雑な季節と考えます。
●秋に増えやすいエネルギー・ドーシャ
暦の上で秋になっても、初秋は夏に増えた火のエネルギーがまだ少し世界にとどまっている状態で、日によっては増えることもあり、ピッタドーシャとして心や身体に影響を与えます。
晩秋になると、火のエネルギーは完全に勢力を弱め、代わりに風のエネルギーが増えていきます。ドーシャとしてはヴァータドーシャが優勢になっていきます。
●秋に増えやすい性質
秋は、火・水(ピッタ)→風・空(ヴァータ)と4つの元素が関わることもあり、世界は様々な性質が現れます。
具体的には、少しの熱性・動性・冷性・乾燥性・速性・不規則性・分散性といった性質で、見えない領域の中で、これらの性質が生きとし生けるものの心や身体に影響を与えます。
秋を快適に過ごすために知っておきたい3つのアーユルヴェーダポイント
秋という季節がどの程度心と身体に影響を及ぼすかは、その人のドーシャバランスによって異なります。
例えば、あなたがヴァータ体質であれば変化をより強く感じ、体調が不安定になりやすいかもしれません。
逆に、ピッタ体質であればバランスが整いやすいですし、カパ体質であれば、冷性といった特定の性質だけをより強く感じる可能性があります。
いずれにしても、自身のドーシャバランスを考慮しながらライフスタイルを調整していくことが大切となります。
それを踏まえた上で、ここからは秋を快適に過ごすためのアーユルヴェーダポイントを3つご紹介します。
●“水”の流動性を活かす
秋を快適に過ごすアーユルヴェーダポイントの一つは、変化の波に乗るということです。
そのためには、アーユルヴェーダ5元素における水のエネルギーを活用しましょう。
水は、秋に増えやすい風のエネルギーを調整してくれる元素の一つです。
お水をよく飲むというシンプルな習慣も良いですし、日常的に水にふれる機会を増やすことや、お風呂の時間を大切にするといったことも効果的です。
世界に存在するあらゆる水に意識を向けて、それに触れたり動かしたり、流したりすることで季節の変化に上手に対応できるようになります。
●五感の中の触覚を大事にする
秋を快適に過ごすためのアーユルヴェーダポイント2つ目は、触覚という感覚に意識を向けることです。
秋に増えやすい風のエネルギーは、五感の中の触覚と深い関係があります。
皮膚に触れる衣服やタオル類、寝具といったものを肌触りのよい快適なものにすること、また、動物など、触って気持ち良いと感じるものに触れるという行為も、秋のバランス調整に役立ちます。
●上手にデトックスする
秋を快適に過ごすためのアーユルヴェーダポイント3つ目は、上手にデトックスすることです。
分散性という性質を持つ秋は、身体や心に溜まっているいらないものをバラバラにして流す働きが生まれやすい季節です。同時に、冬ほどヴァータが増えすぎていないので、分解しすぎずほどよく削ぎ落とすことができます。
今流行している16時間ファスティングなどは、断食に慣れていない人でも取り入れやすいでしょう。
ただ、もともとヴァータ体質の人は痩せすぎてしまう可能性がありますので、慎重に行ってください。
反対に、カパ体質の方は積極的に行ってみることをおすすめします。
秋のアーユルヴェーダライフスタイル術:食事のポイント
ここからは、秋の食事に関するポイントをご紹介していきます。
初秋のまだ暑さが残っている時期は、甘味・苦味・渋味を意識しつつ、晩秋になると徐々に、甘味・塩味・酸味を意識していくのがポイントとなります。
辛味以外はすべて含まれるので、秋の豊富な味覚を楽しむことが最も効果的な食事法といえるでしょう。
共通している甘味については、栗やさつまいもなど自然な甘みを存分に楽しみましょう。
秋のアーユルヴェーダライフスタイル術:運動のポイント
秋のカラリとした気候は、運動にも最適です。
特に晩秋は、身体を動かして適度に火の要素を取り入れることで、冷性、乾燥性といった性質を調整することができます。
ヨガにおいては、ゆっくり継続的に動き続けるようなフローヨガがおすすめ、夏の間せっかく緩んだ筋肉、関節を固めてしまわないように、毎日少しでもストレッチやヨガの太陽礼拝などを続けるようにしましょう。
秋のアーユルヴェーダライフスタイル術:マインドケアのポイント
秋、特に晩秋になってくると、ヴァータドーシャの影響で心が不安定になりやすくなります。
具体的には、虚無感や孤独感、不安感、迷走といった気持ちの揺れが起きやすくなりますが、これらは、心と身体のヴァータケアを行うことで調整することができますので安心してください。
具体的には、自分の身体に丁寧にふれること、オイルマッサージやボディクリームの塗布を丁寧に行うというのも良いと思います。
また、ラベンダーやローズ、ゼラニウムといったリラックス系のアロマオイルを香らせるのも、嗅覚から脳へすぐ作用してくれるのでおすすめです。
秋のアーユルヴェーダライフスタイル術:美容のポイント
秋は、冬に向けて保湿を始める季節です。
ただ、急にスキンケアの工程を増やしすぎたり、固いクリームをぬったりするのではなく、気候やお肌の状態に合わせて、徐々に増やしていくのがおすすめです。
また秋は、デトックス美容もおすすめしたい季節です。
特に、クレイを使ったデトックスがおすすめ、クレイの入浴剤やパックも効果的です。
顔のクレイパックは、お肌の天然保湿因子を守りつつ、余分な角質・皮脂を取り除いてくれます。
秋のアーユルヴェーダライフスタイル術:その他
最後に、食事・運動・マインドケア・美容以外の、秋のアーユルヴェーダライフスタイル術をご紹介します。
●規則正しい生活をする
季節の変わり目であり、動性のあるヴァータが増えやすい秋は、生活リズムが乱れやすくなります。
就寝・起床、食事、仕事、運動、リラックスなどの時間をきちんと決めて、規則正しく生活することが、ヴァータのバランス調整に役立ちます。
●エイジングケアをする
秋は1年で最もエイジングが進みやすい季節と言われています。
夏に蓄積された紫外線ダメージによってシミが目立つようになったり、同時に乾燥性が高まってシワも同時に気になったりします。
特にヴァータ体質の方は、痩せすぎないように注意したり、ドリンクにレモン汁を少し落としてビタミンCを取り入れたりして、エイジングケアを心がけましょう。
まとめ
今回は、アーユルヴェーダを基にした秋の快適な過ごし方をご紹介しました。
●アーユルヴェーダでは、初秋はピッタドーシャが残り、晩秋にかけてヴァータドーシャが増え始める
季節と考えます。
●秋の世界は、少しの熱性・動性・冷性・乾燥性・速性・不規則性・分散性といった性質が強くなります。
●秋を快適に過ごすアーユルヴェーダポイントは、“水”の流動性を活かすこと、五感の中の触覚を大事にすること、上手にデトックスすることの3つです。
●秋の食事においては、豊富な旬の食べ物を楽しむことがポイントとなり、特に甘味を取り入れることが
ポイントとなります。
●秋の運動においては、適度に身体を動かして火のエネルギーを増やすことがポイント、フローヨガがおすすめです。
●秋のマインドケアは特に大切で、丁寧な全身マッサージやアロマオイルを使うといった方法がおすすめです。
●秋の美容法は、冬に向けて保湿をは始めると同時に、クレイなどを使ったデトックスもおすすめです。
●秋は、その他規則正しい生活をしてヴァータ特有の不規則性を整えることやエイジングケアを心がけることなどが大切となります。