【アーユルヴェーダ 音の美容法】音楽で体調・体質を調整してみよう!
音が美容に効く…そう聞くととても怪しい美容法に感じますよね。
もちろん、音によってシミが消えたり、シワがなくなったりするということではないんです。
ただ、その時自分に必要な音を聴くことで、脳に必要な電気信号が届き、その結果、偏っていた身心のバランスを整えられて、健康・美容に良い効果をもたらすということはあります。
では、いつどのような音を聴けば良いのか?
アーユルヴェーダには、このヒントが記されているので、詳しく解説したいと思います。
美容・健康に影響を与える、アーユルヴェーダに記された音の力とは?
アーユルヴェーダによると、人や動物の進化の過程で最初に生まれた5感(視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚)は聴覚なのだそうです。
そして音の波動は大きなエネルギーを持つと考えられています。
アーユルヴェーダの音による美容や健康の調整法といえば「ガンダルヴァ・ヴェーダ」と「マントラ」が代表的です。
●ガンダルヴァ・ヴェーダとは?
ガンダルヴァ・ヴェーダとはインドの古典音楽です。ラーガという7音階・12音からなる旋法で演奏され、音によって自然と人間を調和させる音楽療法の一つでもあります。
ラーガの音は特殊で、一般的なド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの西洋音階で表すことはできないそうです。
また、熟達した人が雨のラーガを演奏すると、波動のエネルギーによって雨が降るといわれているほど
神秘的な音楽だと言われています。
それぞれのラーガは、ドーシャ時間や季節に合わせてふさわしい演奏が決まっています。
また、ラーガには込めるべき感情、例えば恋心や怒り悲しみなどが10種類規定されていたりするもの特徴で、それぞれのラーガに込められた感情を表現しながら演奏されるそうです。
●マントラとは?
マントラとは、サンスクリット語で「文字」「言葉」を意味しますが、「真言」と訳した方が分かりやすいかもしれません。
語源は、manas(五感の情報を得て、物事を判断したり、考えたりするマインドの働き)とtrāṇa(守る、解放する)で、この2つの言葉が組み合わさってmantra(マントラ)という言葉ができています。
サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質が増加したという研究結果も出ているほど、癒しや心の浄化にもなると言われています。
アーユルヴェーダドーシャ(体質・体調)を音で調整する方法
アーユルヴェーダでは、生まれつきの体質やその時の体調を表す「ドーシャタイプ」によって変わる
音の身心調整法があります。
●ドーシャを調整する音楽療法の基本
ドーシャとは、人の身心を司るエネルギーのことで、“ヴァータ”“ピッタ”“カパの”の3種類に分類されます。
この中で過剰に増えているドーシャをその人のドーシャタイプとし、そのドーシャを調整することで美容・健康が向上すると考えられています。
このドーシャを音でバランスする際には、同質の原理が基本となります。
例えば、雨が降っている時には、軽く乾いた音が特徴的なハワイアン・ミュージックよりもしっとりとしたジャズが聞きたくなるように、まずは協調を生むような音を取り入れるのがファーストステップです。
その次のステップとして、少しづつ相反する性質を持った音を取り入れていることで、自然にドーシャを調整することができるようになります。
※自分のドーシャタイプを診断したい方は、こちらの診断ツールをご利用ください。
●ヴァ―タを調整する音楽
ヴァータは、風と空の元素をもったエネルギーで、過剰になると心が落ち着かなくなったり、不安になったりします。
また身体においては、お肌が乾燥したり血行が悪くなったりするとともにエイジング促進を要因にもなるドーシャです。
<協調を生む音の種類>
・テンポの早いリズム・メロディ
・複数の音が同時になる和音(オーケストラ、協奏曲)
・笛の音(雅楽、フルートなど)
<バランスする音の種類>
・金管楽器(サックス、ジャズ)
・一定のリズム(ワルツなど)
・スローな音楽(ヒーリング音楽)
●ピッタを調整する音楽
ピッタは、火と水の元素を持ったエネルギーで、過剰になるとイライラしたり、闘争心が強くなったりします。
また、身体においては、火照ったり湿疹がでたりするとともに消化不良をおこしたりするドーシャです。
<協調を生む音の種類>
・機械的なリズム(トランス
・シャープなハーモニー(ポップ)
・金属の音
<バランスする音の種類>
・メロディが移り変わる曲
・水の音
・スローな音楽(ボサノバ)
●カパを調整する音楽
カパは、土と水の元素を持ったエネルギーで、過剰になると頑固になったり、嫉妬深くなったりします。
また、身体においては、太ったり冷え性になったりするとともに、代謝が落ちやすいドーシャでもあります。
<協調を生む音の種類>
・ゆったりとしたリズム・ハーモニー(ハープ)
・重厚なメロディ(ゴスペルなど)
・チェロやコントラバスなどの低音楽器
<バランスする音の種類>
・スピードのある曲
・軽い音色(うくれれ)
・メロディが移り変わる曲
まとめ
今回は、アーユルヴェーダにおける音、ガンダルヴァヴェーダとマントラとは何かを解説し、聴く音によって身心のバランス(ドーシャ)を整える方法を解説しました。
●アーユルヴェーダに記されている美容と健康に良い音とは「ガンダルヴァヴェーダ」と「マントラ」がある。
●ガンダルヴァヴェーダとはインドの古代音楽であり、ラーガという旋法で演奏される音楽療法の一つである。
●マントラとは真言のことであり、唱えることで癒しと心の浄化になると言われている。
●音でドーシャを調整するには、まず同質の音で協調を生み、その後異質の音でバランスしていくのが基本となる。