アーユルヴェーダで重宝されている“オイル” 種類や活用法を徹底解説!
オイルはアーユルヴェーダを実践上で欠かせないものの一つです。
食事法、マッサージ、スキンケア、マインドケアなど、様々な場面で登場し、心身の健康を整えてくれるものとして紹介されています。
そこで今回は、アーユルヴェーダにおけるオイルの美容・健康効能や、代表的なオイルの種類と活用法、そしてドーシャタイプ別のおすすめオイルと使用する際のポイントをご紹介します。
アーユルヴェーダに記されているオイルの効果効能 美容・健康にどう良いの?
アーユルヴェーダでは、オイルの活用が健康やアンチエイジングに繋がるとされており、様々な活用法が紹介されています。
●オイルのデトックス効果
アーユルヴェーダによると、オイルにはデトックス作用があるそうです。
オイルを摂取したり、身体に塗ったりすることで、体内に溜まっている毒素を排出することができると言われています。
アーユルヴェーダでは、“パンチャカルマ”といって、アーユルヴェーダ医師や専門のセラピストが行う
全身の解毒トリートメントがあるのですが、そこでもハーブなどと一緒にたっぷりオイルが使われています。
●オイルのアンチエイジング効果
オイルのもう一つの効能は、アンチエイジングです。
オイルの抗酸化作用によって、身体のサビを取り除いたり防いだりできる他、お肌に塗ることで乾燥を防いだり、つややかさをもたらしたりしてくれます。
また、発毛を促進させたり、関節痛などの炎症を抑えたり、身体組織の損傷を回復させたりといった効能も期待できます。
●オイルのリラックス効果
オイルはさらに脳にも良い影響を与えると言われ、リラックス、知能向上、記憶力アップといった効果があると言われています。
アーユルヴェーダという言葉から多くの人が連想する“シロダーラ”は、まさにその効能を期待出来るトリートメントです。第3の目と言われる眉間のマルマ(ツボ)にオイルをたらすことで、脳を活性化させたり、心と身体の癒やしたり、リフレッシュさせたりすることができると言われています。
オイルにはその他、消化力アップ、発毛促進、頭痛・耳鼻科系の不調回復、骨折、火傷、怪我の回復など、様々な効能が期待できます。
●アーユルヴェーダで使われるオイルの種類
アーユルヴェーダで使われる代表的なオイルは、ごま油とギーとひまし油です。
これらは、先にご紹介したデトックス、アンチエイジング、リラックスの共通効能に加えて独自の特性もあり、また効果的な使い方というのもそれぞれ異なります。
アーユルヴェーダで使われるオイル①・ごま油
アーユルヴェーダの示すごま油は、中華料理などに使われるような香りのある焙煎ごま油ではなく、太白ごま油をキュアリング(加熱処理)したものです。
アーユルヴェーダでは、食事法において料理に使われるのはもちろんのこと、ボディマッサージやうがいなど、アーユルヴェーダ生活療法において最も多く登場するオイルです。
ごま油はヴァータを鎮静させる性質がありますので、乾燥しやすい秋~冬や55歳以上の方、生まれつきヴァータが増えやすい方などは、特に積極的に取り入れたいオイルです。
一方、カパを増加させず、ピッタを増加させるという性質もあります。
アーユルヴェーダで使われるオイル②:ギー
ギーとは、無塩バターを煮詰めて水分やタンパク質などを取り除いて作られるバターオイルのことです。
動物性脂肪にも関わらず、コレステロールが上がらないというのが特徴です。
ギーは、食事法において料理に使われたり、疲れ目の時に点眼したりして使われます。
アーユルヴェーダにおいて、ギーはアグニ(消化)を燃え立たせてオージャス(活力素)を増やす最も優れたオイルだと言われています。
ギーは、ヴァータとピッタを鎮静させる性質がありますので、気温の上がる夏や乾燥する冬、22歳以上の方、そして生まれつきヴァータやピッタが増えやすいタイプなど、幅広い方が使いやすいオイルです。
カパタイプの人も、カパを増大させにくいと言われていますが、取り入れすぎには注意が必要です。
ギーを使ったトリートメントと言えば、眼球をギーに浸すネトラバスティが有名ですね。
ネトラバスティは、ドライアイや疲れ目にも効果があると言われています。
アーユルヴェーダで使われるオイル③:ひまし油
ひまし油とは、トウゴマという植物の種子から取れるオイルのことです。
ひまし油は、マッサージやスキンケアに用いられるのですが、幼児にも使えると言われているほど安全性が高いと言われています。
ひまし油の主成分はリシノール酸という必須脂肪酸です。
いわゆるオメガ6と呼ばれる分類の油で、体内の働きを調整したりコレステロールを下げたりする働きがあります。
リノール酸は、体内で合成することができないので適量を外から摂取する必要があります。
ひまし油の最も大きな効能はデトックスだと言われています。
シミやほくろなどにひまし油を軽く塗るだけで、少しづつ薄くなってきたという人もいます。
また、日本では古来から下剤として使われており、便秘にも効果が期待できます。
ひまし油はヴァータ増加をバランスする効果があると言われており、特にヴァータ異常で発生する関節痛、坐骨神経痛、慢性背部痛、筋肉のコリへのケアにオススメです。
ひまし油+布+サランラップで幹部を温める「ひまし油湿布」をすると、痛みが軽減できると言われています。
アーユルヴェーダで使われるオイル③:その他、そして選び方
その他応用編として、ココナッツオイルやグレープシードオイル、日本ならではのこめ油や菜種油なども使われています。
様々なオイルの中で、自分にとって最も最適なオイルを最適な方法で使うには、アーユルヴェーダのドーシャ理論に基づいて考えるのが最適です。
ここからは、それぞれのドーシャタイプにオススメのオイルと効果的な使い方についてご紹介していきます。
※自分のドーシャタイプを調べたい方は、こちらのドーシャ診断をお試しください。
オススメのアーユルヴェーダオイルと使い方:ヴァータタイプ
ヴァータは、風と空の元素を持つドーシャです。
乾燥しやすかったり、痩せやすかったりするので、ドーシャの中でも、最もオイルを必要とするタイプです。
●ヴァータにオススメのオイル
・ごま油(インナーケア・スキンケア)
・ひましオイル(スキンケア)
●ヴァータにオススメの使い方
・オイルは比較的たっぷりと使っていきましょう。
・使う時は、人肌に温めて使用するのがオススメです。
・ゴマ油は、マッサージ、オイルプリング(オイルうがい)、点鼻などがオススメです。
・ひまし油については、マッサージや湿布がおすすめです。
・食事においても、オイルが不足しやすいので、亜麻仁オイルなどのオメガ3系オイルやギーなどを意識的に取り入れていきましょう。
オススメのアーユルヴェーダオイルと使い方:ピッタタイプ
ピッタは、火と水の元素を持つドーシャです。
もともとお肌にツヤがあるので、そこまで多くのオイルは必要ありません。
オイルを取り入れすぎると、湿疹や赤みが生じる可能性がありますので、オイルの種類とタイミングに注意しましょう。
●ピッタにオススメのオイル
・グレープシードオイル(インナーケア・スキンケア)
・オリーブオイル(インナーケア・スキンケア)
・ココナッツオイル(インナーケア・スキンケア)
・サンフラワーオイル(インナーケア・スキンケア)
●ピッタにオススメの使い方
・オイルは、少量づつ使っていきましょう。
・使う時は、常温のままつかいましょう。
・マッサージや食事などに取り入れていくのがオススメです。
・ただし、熱や赤みがある場合にはオイルの使用を控えましょう。
オススメのアーユルヴェーダオイルと使い方:カパタイプ
カパは、水と土の元素を持つドーシャです。
元々体内の構造がしっかりしており安定しているので、外からのオイル補給の必要がない場合もあります。
オイルはどちらかというと、デトックスのために活用するようにしましょう。
●カパにオススメのオイル
・アプリコットカーネルオイル(スキンケア)
●カパにオススメの使い方
・オイルは少量づつ使っていきましょう。
・使う時は、人肌に温めて使用するのがオススメです。
・マッサージでは、体内の循環を促すように比較的強めにタッピングしたり、体液の流れに沿ってスクロールしていくようにしましょう。
・オイルマッサージの前に、ガルシャナ(乾布摩擦)を行って身体を起こしておくのもオススメです。
・食事においては、オイルを控えるのがよいでしょう。
まとめ
今回は、アーユルヴェーダでよく使われているオイルについて、その効能や種類、ドーシャタイプに合わせた活用法などをご紹介しました。
●アーユルヴェーダでは、オイルを使うことで主にデトックス、アンチエイジング、リラックスの効果効能があると言われています。
●アーユルヴェ-ダで使われている主なオイルは、ごま油、ギー、ひまし油です。
●ごま油は、ヴァータを調整する効果がありマッサージやオイルうがいなどに使われます。
●ギーは、アーユルヴェーダにおいてもっとも優れたオイルだと言われており、食事や点眼などに使われます。
●ひまし油は、安全性の高いオイルで関節痛を緩和させる湿布としてよく使われます。
●ヴァータタイプは最もオイルを必要とするドーシャです。
●ピッタはオイルの種類と使うタイミングをはかる必要があるドーシャです。
●カパは、デトックス目的でオイルを使うのが良く、補給にはあまり必要としないドーシャです。